『超筋トレが最強のソリューションである』要約まとめ

ジムで体を鍛えたいけれど、仕事が忙しくて時間がない……という人も多いはず。一方で、超多忙なビジネスパーソンほど筋トレを習慣にしているものです。実のところ彼らは、仕事をバリバリこなすためにジム通いをしている⁉ なぜなら体が健康になれば気持ちも前向きになるし、筋トレによって脳が覚醒するホルモンが分泌されるんです。そして何より自分に自信が持てるようになる。この好循環に入るには、今すぐ筋トレを始めるしかない!

Twitterで61万ものフォロワーを持つ著者のTestosterone(テストステロン)は、「筋トレが全てを解決する」として筋トレの啓蒙活動を行っている。なぜ彼が筋トレこそ〝最強のソリューション〟だと断言するかというと、高校1年生ときに体重110kgの肥満児だったのが、留学先のアメリカで筋トレと出会い、人生が180度変わったという原体験があるからだ。40kg近い贅肉とともに怠惰だった自分が消え去り、力強く人生を歩むようになったのだ。

 第一章の『「死にたくなったら筋トレ」が真実である理由』という章タイトルからもわかるように、本書は全編を通して筋トレがいかにメンタルに好影響を及ぼすかを科学的に検証している。Testosteroneに言わせると、人はじっとしていると悩みや心配が止められないが、筋トレをするとそんな余裕は消えてしまうものなのだ。また、挙がらなかったベンチプレスが挙がるようになったり、理想の身体を手にいれることで自分に自信が持てるようになり、自尊心も育まれるという。性格も強気になり、「死にてえ」から「殺すぞ」に変わると豪語するのである。

 マッチョな精神論に思われるかもしれないが、これには科学的根拠がある。「焦燥感」「不安感」「自尊心の低下」といったメンタルヘルスの問題に対して、筋トレはポジティブに働くという多くの研究結果があるのだ。まず筋トレによって睡眠の質が向上し、不健康が改善されるということがあるが、脳科学的には、やる気や闘争心に関わる「テストステロン」や脳を最適な覚醒状態にする「セロトニン」などのホルモンが分泌されるのだ。さらに筋トレは腰痛や関節痛にも効果があり、慢性的な痛みが消えるだけでも人生を謳歌できるようになるはず。

 何より「自分を好きになれる」ことが筋トレの一番大きな効果だとTestosteroneは言う。本書には筋トレで人生が変わった6人の実録漫画が掲載されている。親から将来医者になるように過度な期待をされ、強迫神経症とうつ病になった青年が筋トレによって克服したエピソードや、中学時代に不登校になり、大人になっても周囲に馴染めずにいた女性が、筋トレによって積極的な性格に変わったエピソードなど、いずれも筋トレによって自信を持てるようになり、一気に人生が好転したのだ。

 さらに筋トレは最強のアンチエイジングでもある。筋肉は加齢に伴って減少していくものだが、アメリカの研究では、60歳前後の男女が10週間にわたって筋トレを続けたところ7~8%もの筋量の増加が確認された。つまり何歳から始めても筋トレは効果を発揮するのだ。さらに筋トレを行った後は高齢者の記憶力が向上することも報告され、脳のアンチエイジングにも効果が見込めるのだ。

 そして筋トレには「見た目」というすぐにわかる効果がある。人間にとって「モテたい」ということが、もっとも大きな望みにして同時に悩みだったりするものだが、「外見を磨く努力をせず、中身を見てほしいなんて甘い」とTestosteroneは言う。逆に筋トレをすることで理想の身体をGETし、自分に自信が持てるようになれば、異性に積極的にアプローチができるようになり、それがさらなる自信につながり、どんどんいろんなことに挑戦できるようになる。このループに入ることが、筋トレで「人生が変わる」ということに他ならない。

 アメリカでは、太っている人は自己管理すらできないとみなされ雇用されにくく、逆にマッチョな人は自制心や自己管理能力があるとみなされ雇用されやすい。筋トレを習慣にしているエグゼクティブが増えているが、Testosteroneに言わせると、「成功している奴としてない奴に大した差なんてない。ひとつあるとすれば体力の差」なのである。人間もしょせんは動物であり、体力こそが最強の資本なのだと。

 多忙なビジネスパーソンがトレーニングをする意義としては、健康管理をすることでパワフルに働くことがもっとも重要な理由だが、定期的なエクササイズは記憶力、集中力、頭脳明晰さに関わりの深い物質の分泌を助けることが証明されており、中でも集中力や闘争心に関わるテストステロンは、40歳をピークに1年ごとに1~2%ずつ低下し、肥満やアルコール中毒、ストレスの原因になりかねないが、筋トレをすることで血中のテストステロン濃度が高まることが報告されているのだ。

 筋トレはもっともすぐれた予防医学的な行為の一つであり、生活習慣病や老いから効率的に守る保険といっても過言ではない。国家単位で見たとき、筋トレは中高年の健康寿命を伸ばすことに大きく貢献し、医療費削減、介護問題の解決、人手不足の解消など、日本が抱える深刻な問題を一挙に解決できるソリューションでもあるのだ。

「メンタルを強くするにはどうしたらいいですか?」と相談を受けるたびに、Testosteroneは「筋トレしろ」と答えている。メンタルはフィジカルの表面であり、メンタルを強くしたければ、まずは体を鍛えてみるといい。「文句があるなら直接かかってこい」と思えるくらいフィジカルが強くなると、堂々と振舞えるものだし、他人の目も気にならなくなる。そして、合理的に体を変えられるのだから、性格や能力も努力次第で必ず変えられると信じられるようになるはずだ。

 筋トレで増すのは「希望」と「筋肉」、減るのは「ネガティブ思考」と「贅肉」――そう考えると、筋トレをやらない理由が見つからない。ここで行動を起こすか起こさないかが人生の分岐点になるだろう。読書は後回しにして、今すぐ筋トレだ!

『超筋トレが最強のソリューションである』3つのポイント

●筋トレによって、「テストステロン」や「セロトニン」が分泌される

●筋トレをすると、自信が持てるようになり、「自分を好きになれる」

●メンタルを強くしたければ、「筋トレしろ!」

文●大寺 明