「働き方改革」はオフィス改革で乗りきる! RELATIONS株式会社の最先端オフィスを取材

「オフィスの働きやすさ」の社員満足度が、62%から95%に向上

「ええ会社をつくる」をミッションに掲げるRELATIONS株式会社は、コンサルティング事業のベンチャーとしてスタートしながら、テクノロジーを駆使した新規事業に挑戦し続けてきた。そして現在は、企業のさまざまな経費の「価格を適正化する」サービス「Less is Plus」、マネジメントツール「Wistant」の開発、ビジネスWebメディア「SELECK」の運営など、3つの領域で事業を展開している。社内にはコンサルタントもいれば、エンジニアやWebメディア編集者もいるという多様なメンバーが働く会社だ。

 2019年8月にオフィスを移転したが、移転前のオフィスが300坪だったのに対し、外苑前の新オフィスは半分以下の130坪。これは事業が縮小したわけではなく、オフィスのムダをなくし、より良い社内コミュニケーションを追求した結果だという。現状49名の社員のうち半数を占めるコンサルタント・営業職は出張や外回りをしていることが多く、普段、オフィスにいるのはエンジニアやコーポレートメンバーなど限定的。さらにRELATIONSではリモートワークを導入しているため、日によって在宅勤務をするメンバーもいる。そのため、130坪でも十分すぎるくらいの広さなのだ。

 事前にオフィスへの不満点や改善してほしい点などのアンケートを取り、新オフィスではそれらの課題を改善した結果、「オフィスの働きやすさ」の社員満足度が、移転前後で62%から95%へと大幅に向上した。新オフィスのどういった改善点が働きやすさにつながっているのだろう? 新オフィスのコンセプトづくりを担当したデザイン戦略室・ディレクターの植田将基さんにお話をうかがった。

「移転前のオフィスは、300坪のスペースに49名という社員数で、一人ひとりのスペースが非常に広い状態でした。そうすると、人数が多いわけでもないのに誰がどこにいるかもわからない状態になり、会社に来たのに寂しい……という感じで、どんどん活気も失われていったんです。物理的な距離がコミュニケーションを取りづらくさせ、働く上でのパフォーマンスに支障が出はじめていました。そこで弊社の社内文化でもある“互知(GOCHI)”をコンセプトに新オフィスづくりに取り組むことになったんです」

 社内文化の“互知”とは、「お互いにわかり合う」を意味する。新オフィスのスペースを縮小したのは、メンバー間の物理的な距離を近くすることで、“互知”を生まれやすくする目的があったのだ。オフィス中央の螺旋階段をキャンプファイヤーに見立て、それを囲むようにバーカウンターを設置したのも“互知”をイメージしてのオフィスデザインなのだ。

オフィス中央のバーカウンター。RELATIONSでは18時以降はお酒がOKになっているので、金曜夜はここで社員同士のプチ飲みが始まったりする。

エントランスには指紋認証センサーと受付用iPad。最近はこうしたオフィスが増えている。

設備面のストレスをなくし、メンバー同士の交流を活性化

 RELATIONSのオフィスには、以前から固定席というものがなく(一部コーポレートメンバーの席を除く)、オフィスのどこで仕事をしてもいいことになっている。新オフィスには自由に組み合わせられる台形のデスクが置かれ、レイアウトを変更して使うことができる。他にも仕事に没頭しやすい集中スペースが設けられ、仕事内容に応じて適した場所を選べるのだ。

台形のデスクを組み合わせて、さまざまなデスクスペースを作ることができる。フロアをイベントなどで使用するときも移動が楽なので便利だ。

作業に没頭したいときなどに使われる集中スペース。階下のフロアを見渡すことができ、開放感がある。

 たしかに今の時代、パソコンさえあれば、どこでだって仕事ができる。書類や資料本などを入れておく各自のデスクスペースを確保する必要もないのかもしれない。それよりも求められるのは、どこでもスムーズに仕事をするための快適なネットワーク環境だったという。

「以前のオフィスではネットワーク機器が古く、アクセスポイントから離れると、次に近いアクセスポイントに自動でつながるローミング機能がなかった。それでいてオフィスが広いわけですから、移動するたびに再接続に時間がかかったり、人数が多いと混線してつながりにくかったり、かなりフラストレーションが溜まっていました。弊社はリモートワークを導入しているので、在宅メンバーとテレビ会議をすることも多いですし、最近はオンライン面接も増えているので、ネットワークのつながりにくさは致命的な問題だったんです」

 再接続にかかる2、3分のロスは、積もり積もれば1日数十分になるだろうし、いちいち作業が中断されることで、仕事のパフォーマンスにも影響が出てくる。そこで新オフィスでは、「Aruba AP-515」というWi-Fiルータを導入し、真っ先にこの問題を解消した。

このWi-Fiルータによって、オフィスのどこにいても快適にネットにアクセスができる。

 他にも移転前のオフィスでは、複合儀やプロジェクターの使い勝手が悪いという問題があった。パソコン1台あれば事足りる時代とはいえ、やはりコンサルタントや営業職は、今も紙のプレゼン資料を用意することが多く、スムーズにプリントできないと仕事も止まってしまう。そこで複合機を全てネットワークにつなげ、オフィスのどこからでも即座にプリントできるようになっている。

 また、すべての会議室にディスプレイが設置され、「AirPlay」でMacからすぐに接続できるようにした。20人ほどのセミナーが開けるスペースにはプロジェクターが設置され、こちらもAirPlayで簡単に接続可能だ。パソコン画面を即座にディスプレイに映し出せるので、会議やプレゼンもよりスムーズになった。こうした細かな時短が積み重なり、労働時間が短縮されているのだ。

ロールスクリーンとプロジェクターを使って、20人ほどのセミナーを開くこともできる。

オフィスの壁には特殊な塗料が施され、ホワイトボードとして使用できる。会議室を取らなくても、その場ですぐにミーティングが可能だ。

 社内のコミュニケーションは「Slack」、会議の議事録や社内ルールなどのドキュメント管理は「DocBase」、各自の予定表は「Google カレンダー」、経費精算は「マネーフォワード クラウド会計」というふうに、RELATIONSでは最新のクラウドツールを駆使してあらゆる業務を効率化している。その一方で、メンバー同士のコミュニケーションを活性化させる環境づくりに力を入れた。あらゆるものがデジタル化される時代だからこそ、逆にリアルなコミュニケーションの重要性が増しているという実感があるそうだ。

「実際にコミュニケーションがすごく増えたことで、メンバー同士が仕事の知見やテクニックを共有する頻度が上がりました。そういう細かなことが積み重なって、チームとして大きなパフォーマンスが生まれるはずだと思っています」

取材・文●大寺 明

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【取材協力】
RELATIONS株式会社
2009年設立 従業員数49名(2019年現在)

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