『夢をかなえるゾウ3 ブラックガネーシャの教え』要約まとめ

夢をかなえるゾウ3

ビジネス書や自己啓発書を分析し、そのエッセンスをユーモラスな物語にしてシリーズ累計280万部のベストセラーとなった『夢をかなえるゾウ』。3作目となる本作は初の女性が主人公だ。仕事や恋の悩みを占いやスピリチュアルで夢をかなえようとする主人公のOLに対し、現実主義者のガネーシャはやっぱり容赦ない! その教えの真の意味とは!?

 貯金もなければ彼氏もいない。だけど本当は何もかも手に入れたいタイプ。そんな性格を占い師に言い当てられた主人公の私は、運気を上げるために24万円もする黒いガネーシャ像を購入してしまう。

 それだけで夢がかなうかのような気分でいたところ、突如部屋に現われたのが関西弁をしゃべるインドの神・ガネーシャだ。夢をかなえるには相応の「痛み」が必要だと言い、これから出す課題をすべてクリアできなければ「将来の希望を全部奪う」と物騒なことを言い出した。

 その手始めとして、部屋にあるもので「必要な物」を3分以内に私に答えさせ、次の瞬間にはそれ以外の物をすべて破壊! もちろんローンが残っているガネーシャ像も……。これがガネーシャ最初の課題「自分の持ち物で本当に必要なものだけを残し、必要のないものは捨てる」だ。

 こうしてガネーシャは次々とムチャな課題を出していく。たとえば私が辛いものが苦手だと知ると、「苦手な分野のプラス面を見つけて克服する」という課題を出し、辛いものにはダイエット効果があるとして激辛カレーを完食させようとする。私が苦戦していると、「頑張るのがしんどなったら、欲しいもん手に入れた状態をリアルに想像してみい」とアドバイス。私は恋心を抱く園山さんを思い浮かべながら、どうにか激辛カレーを食べきるのだった。

 インターネット会社を経営している園山さんは、海外で仕事をする夢があり、英語を勉強したいと思っている。そこでガネーシャは私になりすまして「英語を教えてやる」と上から目線のメールを勝手に送信。これもまた「目標を誰かに宣言する」というガネーシャの課題だ。英語の勉強などしていない私だったが、園山さんに教えてほしいと頼まれれば英語を勉強せざるをえない。「物事をマスターするのに一番大事なんは『本音の欲求』や」とガネーシャは言う。園山さんと親しくなりたいという本音が原動力になるというわけだ。

 こうしてガネーシャは嫌がらせにも近い課題を連発。いずれもこれまで私がやったことがないことばかりだ。しかし、戸惑いながらも実践していくうちに、私は自分の中に変化を感じはじめる。

 その後、私とガネーシャは壊れたガネーシャ像を占い師に返品しに行くことに。占い師は本性を表し、別の黒ガネーシャを呼びだした。互いにニセモノだと言い合うおかしな状況になり、「どちらが園山さんを落とせるか」という勝負をすることになる。

 結果はガネーシャの失態もあってさんざん……。気落ちした私に占い師と黒ガネーシャが接近し、夢をかなえたければガネーシャのペンダントを奪ってくるように言いくるめ、ガネーシャは糞をまき散らすただのゾウの姿になってしまう……。目的を果たした占い師と黒ガネーシャが正体を現すと、それは神社に祭られている稲荷だった!! 日本古来の神として、インドの神であるガネーシャを以前からうとましく思っていたのだ。

 ガネーシャのペンダントを取り戻すべく、釈迦と貧乏神の幸子が加わって商売繁盛の神・稲荷と再び対決することに。互いの像を作ってどれだけ稼ぐかという商売の勝負である。

「希少価値を演出する」「あえて自分の不利益なことを言って信用させる」「お客を中毒にする」といった人間心理を逆手にとった悪徳商法で高額のガネーシャ像を売りさばく稲荷チームに対し、商売の素人ばかりが集まったガネーシャチームは、「商売の一番の基本はな――まず自分が『一番良いお客さん』になることやねん」というガネーシャの教えのもと、自分が本当にいいと思える商品を売る方針をとった。そうすると、商品となる稲荷像を作る段階から、ああだこうだと試行錯誤して、なかなか前に進まない……。

 しかし、みんなで工夫して稲荷像を作ることが次第に楽しくなり、苦労して作っただけに最初に売れたときの感動も大きかった。これもまた「自分で自由にできる仕事を作る」というガネーシャの課題だったのだ。稲荷像を日本的な神として海外にネット販売するというアイデアで巻き返しをはかるガネーシャチームだったが、はたして勝敗の行方やいかに?

「この世界はな、自分が力を尽くした分だけ、必ずそのお返しを用意してくれるもんなんやで」とガネーシャは言う。「努力せずに成功できる」「働かずにお金持ちになる」といった“希望”を逆手にとった成功法則が溢れているけれど、夢をかなえるためには「つらいことや苦しいことは、決して避けられない」というのがガネーシャの根本的な教えだ。つまり、リアルな成功法則を知ったとき、安易な“希望”は失われてしまうのだ。

「夢」とはまず“思い込み”から始まる。それは現実が冷静に見えていない状態だ。だから、夢を追いはじめた途端、人は現実の壁にぶつかって苦しくなる。しかし、しんどさを感じた分だけ夢は実現に近づいているのだ。それを乗り越えたときに手に入るものを具体的に想像し、苦しみを楽しみに変えることが成功への近道だとガネーシャは教えようとしていたのだ。

 たしかに課題をクリアしたり、不慣れな商売をすることは大変でしんどい。しかし、みんなで協力したり、自分なりに工夫して困難を乗り越えるからこそ、その向こうにある喜びを実感できるだろう。

『夢をかなえるゾウ3 ブラックガネーシャの教え』3つのポイント

●夢をかなえるには相応の“痛み”が必要

●手に入れたいものをリアルに想像して、頑張る

●苦労して困難を乗り越えるからこそ、喜びも大きい

文●大寺 明