『あなたの人生がつまらないと思うんなら、それはあなた自身がつまらなくしているんだぜ。~1秒でこの世界が変わる70の答え~』要約まとめ

実は、あなたの発言をいちばん聞いているのは他人ではなく、あなた自身。脳はあなた自身の言葉を受けて、物事を解釈しているのだ。多くの自己啓発書が「ポジティブ」を強調するのもこの点にある。ベストセラーとなった『3秒でハッピーになる名言セラピー』をはじめ30冊ものユニークな自己啓発書を上梓してきた著者の「人生を面白くするための言葉」とは?

「事実というものは存在しない。存在するのは解釈だけである。」という哲学者ニーチェの言葉から始まる本書では、誰もが抱える悩みに対して70個の“解釈”でアドバイスをしている。

 第1章は『がっかり』したときがテーマ。毎日つまらないとがっかりしている人がいる一方で、お笑い芸人は毎日面白いことに囲まれているように見える。しかし、実際はそうでもない。千原ジュニアがネタ作りのために「24時間お笑いのことを考えている」と話すように、面白いことに視点を当てているから日常の中に面白いことが起きるのだ。逆に毎日つまらないと感じている人は、面白くないところに視点を当てている。実は、違いはそれだけなのだ。

 電車に乗り遅れたら、「人生には乗り遅れてないぜ」と胸をはる。買ったばかりのティーカップを割ってしまったら、「厄払いができた!(身代わりになってくれた)」と万歳三唱。人生のドン底気分を味わったら、「人生ズンドコ!」と叫べばいい。ふざけているように聞こえるが、これも著者ならではの視点の変え方。事実は変えられないが、言葉はいくらでも面白くできる。ちょっと言葉をユーモラスにするだけで、気持ちも明るくなるはず。

 その際のコツは、「自分の感情」を「他人」のように眺めること。そして「嫌な感情」が見つかったら、「ヤンキー生徒」として捉える。ヤンキー生徒は認めてもらえないと悪さをするが、認めてくれる先生の前ではエネルギッシュな良い生徒に変わったりする。感情もこれと同じ。怒りや不安といったネガティブな感情を見つけたら、まず認めてあげるといい。

 第2章は『イライラ』がテーマ。この感情の解釈をズバリ言うと「あきらめる」と「気にしない」こと。何かと他人の言動でイライラしがちだが、人は人、自分は自分と捉えて感情に振り回されないようにしたい。「趣味の違い」あるいは「芸風の違い」くらいに考えよう。

「あの人が悪い、あの人は嫌な人だ」と考えることは、何かのせいにすることであって、自分は変えなくていいと考えている状態でもある。そこに自身の成長はない。自分を成長させるために「ちょうどいい」他者がいるのだと考えると多少は前向きになるはず。

 ダイエットや英語学習が三日坊主になるなど、そもそも自分のことすら思い通りにできないのに、他人を思い通りにできるわけもない。もし思い通りに動いてくれたとしたら、それこそ奇跡みたいなもの。むしろ感謝すべき。人は自分に文句を言う人ではなく、感謝してくれる人の力になりたいと思う性質がある。そう考えたとき、上司の一番大切な仕事は、部下に感謝することだと著者は言う。

「私は正しい。あの人が間違っている」と思っているときは、100%相手もそう思っている。双方に当てはまる真実はないが、双方が「自分は正しい」と思っていることだけは真実だ。この真実に気づけたら、次のステップは相手の立場に立って考えてみること。どんな人にもそうならざるをえなかった過去があり、弁護するつもりで相手を見ると、世界はまた違って見えてくるはず。それでも相手が悪いとしか思えないときは、渾身の右ストレートを繰り出すべし(自己責任で)!

 第3章のテーマは『ショック』。人はハプニングがあったときショックを感じるが、それはハッピーの幕開けでもある。問題が起きたことが問題なのではなく、その問題をどう受け止めるかが一番の問題。著者は5年間片想いしていた女性にフラれ、それでも未練がましく彼女と同じ地元の大学を受験して不合格……。かなりショックな状況だが、そのため東京の大学に進学し、東京の会社に入社することになり、現在の奥さんに出会うことができた。思い通りにいかなかったおかげで、思いもよらぬことが起きたと著者は受け止めている。

 最後の第4章のテーマは『モヤモヤ』。どちらとも取れるような状態のとき人はモヤモヤする。そんなときは自分にとっていい解釈をしよう。たとえば「もう40歳」と考えるより「まだ40歳」と考えるのだ。実際、心理学の研究では後者の考え方の人のほうが10年単位で平均寿命が長いそうだ。

 要は心の持ちようという話だが、実際、嫌々やるより楽しんで仕事をしたほうが良い結果が得られるものだし、「何をやっても長続きしない」と自己否定するより、「だけど、新しいことを始めるのは得意」というふうに前向きに捉えたほうが意欲的に行動できるようになる。

 このように全編を通して著者は、あらゆる悩みをポジティブに変換する。なぜ言葉を大事にするかというと、脳は自分の言葉に反応して、その理屈を見つけ出そうとする検索エンジンみたいなものだからだ。とりあえず「幸せ」とつぶやいていれば、ご飯が食べられることや歩けるといった小さな幸せを見つけて心は自然と満たされていくという。

 裏を返すと「つまらない」と感じている人は、いい言葉を使っていないだけなのだ。幸せは現実が決めるのではなく、あなたの心が決める。さっそく面白い言葉を使ってみよう。その瞬間からあなたの世界は180度変わるかも。

『あなたの人生がつまらないと思うんなら、それはあなた自身がつまらなくしているんだぜ。~1秒でこの世界が変わる70の答え~』

●事実は存在しない。解釈だけが存在する(byニーチェ)

●自分の「感情」を他人ごとのように眺め、認める

●現実は面白くなくても、言葉は面白くできる

文●大寺 明