『自分を操る超集中力』要約まとめ

日本唯一の「メンタリスト」として活躍するDaiGo氏ですが、学生時代の成績は227人中224位で、「学習障害ではないか?」と悩んでいたそうです。他人より「集中力」がないことを自覚し、長きに渡って試行錯誤を続けた結果、企業アドバイザーや講演の仕事を精力的にこなしながら、1日の読書量20冊!という驚異の集中力を体得。その秘訣が「集中力のコントロール」です。集中力UPで仕事も日々の暮らしも劇的に変わるかも!?

 たとえどんなに忙しくても、集中力を保ち成果を出し続ける人がいる。こうした人を目の当たりにして、自分には「集中力がない」と自信を持てずにいる人も少なくないだろう。しかし、「集中力=生まれ持った資質」という思い込みこそが集中力にまつわる最大の誤解。集中力は遺伝でも性格でもなく、トレーニングで鍛えられるものだと本書は提唱する。

 その前提として知っておきたいのが「ウィルパワー」だ。集中力の源は、額の2~3センチ奥にある「前頭葉」にある。ウィルパワーは前頭葉の「体力」のようなもので、一定の量が決まっており、集中力を使うたびに少しずつ消耗する。

 一般的に「集中する」というと仕事や勉強、あるいはスポーツなど何か一つのことに集中して取り組むことを指す。だが実は、ダイエットでチョコを我慢したり、明日の予定を考えるといった細かな意思決定をするだけでもウィルパワーは消費されるのだ。

 集中力を鍛えるアプローチは二つあり、ウィルパワーの「総量を増やす方法」とムダな消耗を減らして「節約する方法」がある。

「総量を増やす方法」としてすぐに始められ、なおかつ即効性があるのが「姿勢」に気をつけること。普段、私たちは無意識で猫背になったり、肘をついたりしている。この無意識の行動を意識的にあらためることでウィルパワーは鍛えられるそうだ。そして姿勢は血流にも影響する。前頭葉のエネルギー源であるブドウ糖と酸素を脳に送り届けるためにも姿勢は大切。具体的な方法としては、椅子を変えたり、立って仕事や読書をするのもいいだろう。

「節約する方法」については、できるだけ細かな判断を減らしていくこと。現代人は1日に平均70回ほど判断しているという。朝食は何を食べるか、何を着ていくか、すぐにメールを返信すべきか等々……小さな「意思決定」を繰り返すたびにウィルパワーは消耗していく。これこそが疲れの正体。寝ているときも活動し続ける脳にそもそも疲れはない。ウィルパワーの消耗が疲れを感じさせているのだ。

 だからこそ「習慣化」が大切になる。たとえば面倒な食後の皿洗いをいつやろうかと考えるのではなく、すぐに洗うという習慣化によって判断を減らしていく。ウィルパワーが一定以下になると、人は「先延ばし」するようになる。そうすると無意識下で気にした状態が続き、ますますウィルパワーは低下していくのだ。これを避けるためには、今すぐやるようにして、やり始めたら他のことはやらないようにするといい。

 集中力は意識的にコントロールする必要がある。なぜなら集中力は持続しない性質を持っているからだ。十分に鍛えられた人でも集中力が持続するのは「120分」程度で、一般的な人では30分ほど。ピークを過ぎると集中力は一気に下降するため、集中力を持続させるには「休憩」が重要になる。

 休憩の入れ方としては、「切りのいいところまで終わらせよう」ではなく、15分、30分と時間を区切り、「もうちょっとやりたかった」というところで休憩を挟むといい。持続しないという集中力の性質を利用して、短時間の集中状態を繰り返したほうが効果的なのだ。たとえ休憩を挟んでも、脳は考え続けているものなので、むしろいいアイデアやいい方法を思いつくことも期待できる。

 休憩後、すぐに集中状態に入るための「環境」も大切だ。著者の仕事部屋にあるのはノートとペン、そして本のみ。よけいなものを一切置かないことで迷いや判断を減らし、すぐに集中できるようにしている。机の上が散らかっていると、「探し物」という小さな選択が連続して発生し、集中する前にウィルパワーが消費されてしまう。人は集中し始めるときにより多くのウィルパワーを使うので、注意を逸らすスマホもマナーモードにしたり、目に入らないところに置くようにしよう。

 このほか集中力を鍛える生活習慣がいくつか紹介されている。食事は「そば・玄米・リンゴ・チーズ・ヨーグルト」といった血糖値をおだやかに上げる「低GI食品」が効果的。運動は20分ほどの軽いエクササイズが効果的だが、緑の中を5分ほど散歩するだけでも同等の効果があるそうだ。

 そして、前頭葉を活性化させる最短最速の方法としては「瞑想」がオススメ。背筋を伸ばした状態で座り、7秒かけて鼻からゆっくり息を吸い、7秒かけてゆっくり口から吐き出す。集中力が鍛えられるだけでなく、脳がデトックスされてポジティブな感情が持続するという。

 そして集中力を最大限に活用するために不可欠なのが「睡眠」だ。脳は寝ているときに回復するばかりか、学んだことを記憶に定着させている。もっとも集中力と相性が悪いのが徹夜で、東大に合格した受験生の平均睡眠時間が7時間前後だったというように、たっぷり寝ることが集中力を高める。

 さらに理想的なのが早寝早起き。人間には太古の昔から繰り返されてきた生活リズムがあり、22時から深夜2時ににかけて細胞を修復する成長ホルモンが分泌されるため、この時間帯に深い眠りにつくことがもっとも効果的だ。こうした脳のメカニズムを知り、意識的にコントロールしていけば、仕事も勉強も格段にはかどるはず。これは試してみる価値がありそうだ。

『自分を操る超集中力』3つのポイント

●「習慣化」することで細かな判断を減らしていく

●時間を区切って「休憩」を挟み、短時間の集中を繰り返す

●食事・運動・睡眠の健康的な生活リズムが集中力を高める

文●大寺 明