『すべての仕事を紙1枚にまとめてしまう整理術』の要約まとめ

すべての仕事を紙1枚にまとめてしまう整理術

プレゼン資料や企画書を作ろうとパソコンに向かい、収拾がつかなくなったことはないだろうか? それは、頭の中の整理ができていないのに、いきなり本題に入ろうとした結果かもしれない。複雑なものをシンプルにするのが「整理」の基本。まずは要素を紙に書いて抜き出し、重要度を考えながら不要なものを削り落とすことで、1枚の紙にまとめてみよう。

仕事や勉強、あるいは日常生活でも整理をしなければいけない場面は多い。この「整理」を端的に言うと、「複雑なことをシンプルにする」こと。逆に「整理できない状態」とは、「あれもこれも大事」と考え、とっておこうとすることなのだ。シンプルになると、ものごとがスムーズに回りはじめ、さまざまな課題が改善されるはず。本書はその方法を紙1枚にまとめる整理術として伝授しようとする。

宝石のダイヤモンドには「透明度」「色の違い」「重さ」「カット」という価値を量る4つの基準がある。これを整理術に当てはめると、「透明度=見通し・仮説」となり、問題解決に向けてまず「仮説」を立てることが大切ということになる。「色の違い=分ける」であり、目の前の問題や課題を識別し、分別することが次の段階となる。そして、「重さ=重要度」であり、ものごとに優先順位をつけるのだ。「カット=削る・捨てる」は、重要度の高いものから先にやり、低いものを後回し、あるいは捨てるなど、ものごとをシンプルにする最終段階となる。

私たちはパワーポイントなどのソフトを使って、何かとパソコンに頼ってしまう。しかし、ポイントを整理せずにパソコンに向かってしまうと、出口のない袋小路に迷い込み、膨大な時間を費やしてしまうことになりかねない。そこで本書では、まず手で紙に書きだすことを薦める。最初に問題に対する「仮説」を紙に書き出し、それに沿って素材(資料)を分け、その素材の重要度を見極めて、捨てる素材を決めていくのだ。

具体的な仮説の立て方としては、「誰の?」「何が?」「どのようにして?」「どうなった?」「要は何が言いたいの?」という5つの要素を付箋に書き出していく。あくまで仮説なので、どれかの要素が誤りであることに気づけば、ピンポイントで検証・修正する。そうするために付箋が便利というわけだ。

また、アイデアを整理するためのメモ帳活用術では、著者は1見開きを16分割し、1マス1情報を原則としてアイデアを書き込んでいく。人はワク(フレーム)なしでは考えられない。付箋もメモ帳の16分割のマス目も、いきなり白紙の紙に書き込むより、ワクがあることでアイデアが出やすくなるのだという。

仮説の立て方、分類の仕方ときて、次の「重要度」の量り方として、書類や本などの物理的な整理法が例としてあげられる。持ち物を「使っている/使っていない」、「大事なもの/そうでないもの」といった4マスのマトリックスに分けて判断するのだ。「使っている/大事なもの」は真っ先に残すべきものであり、「使っていない/大事でないもの」は、捨てていいものとなる。

こうした思考法に基づき、業務の引き継ぎや長時間におよぶ会議といった複雑化しすぎた仕事を整理し、一挙に効率化をはかろうとするのが本書の狙い。業務の引き継ぎではマッピングソフトを使い、会議ではボードに要素をマップ化して書き出すなど、必ずしも紙にこだわっているわけではなく、ポイントをわかりやすく整理して相手に示すことが、あくまで論旨となる。

トヨタがA3の紙一枚に報告書をまとめていることは有名だ。その一枚は、「背景・現状・ゴール・課題・解決策・計画」の6つの要素で構成される。こうして報告の流れを作ることで、一貫性のある説明が可能となる。これがロジカルシンキングというものであり、あれもこれも詰め込みすぎて論理的一貫性を失い、逆に理解されにくくなっていることは実際に多いのである。

伝えようとするメッセージは一つで良く、その背景を「What・Why・How」の2W1Hで説明する。そして結論として、課題をクリアするための具体的な計画を示す。こうして映画の構成のようにストーリー化することで、複雑に見えていた問題がシンプルになり、紙一枚にまとめることができるというわけだ。

3つのポイント

●仮説を立て、メッセージを一つにしぼる

●ポイントを抜き出し、マップ化する

●重要度の低いものを捨て、結論(解決策)を示す

文●大寺 明