【7人の起業家の「座右のマンガ」とは!?】年末年始にまとめ読み!今年活躍したベンチャー社長が薦める人生で影響を受けたコミック17選

ビジネス情報マガジン『bizpow』では、これまで数々のベンチャー企業の創業社長にインタビューしてきました。業界の常識に捉われない新ビジネスを興した社長だけあって、その多くは30代。いわばマンガ世代です。インタビュー中に「マンガ好き」を公言される社長も多く、「もしやその生き方にマンガの影響もあるのでは!?」と考えたことが当企画の発端。そこで、7人の起業家に影響を受けたマンガをテーマ別に教えていただきました。一昔前の社長の本棚というと経営学や歴史小説の本が並ぶイメージでしたが、21世紀の社長の本棚には「座右のマンガ」が並んでいるかも。
  • ビズリーチ 代表取締役社長 南 壮一郎
    ビズリーチ
    代表取締役社長
    南 壮一郎
  • 日本介護福祉グループ 代表取締役会長 藤田 英明
    日本介護福祉グループ
    代表取締役会長
    藤田 英明
  • 八面六臂 代表取締役 松田 雅也
    八面六臂
    代表取締役
    松田 雅也
  • Tokyo Otaku Mode 共同創業者/CEO 亀井 智英
    Tokyo Otaku Mode
    共同創業者/CEO
    亀井 智英
  • コイニー 代表取締役社長 佐俣 奈緒子
    コイニー
    代表取締役社長
    佐俣 奈緒子
  • カブク 代表取締役CEO 稲田 雅彦
    カブク
    代表取締役CEO
    稲田 雅彦
  • エニタイムズ 代表取締役、CEO 角田 千佳(つのだ ちか)
    エニタイムズ
    代表取締役、CEO
    角田 千佳

ビズリーチ
代表取締役社長 南 壮一郎

ビズリーチ 代表取締役社長 南 壮一郎

1976年静岡県出身。楽天イーグルスの球団設立を経験後、2009年に株式会社ビズリーチを設立。2015年より日本最大級の求人検索エンジン『スタンバイ』を運営。
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日本介護福祉グループ
代表取締役会長 藤田 英明

日本介護福祉グループ 代表取締役会長 藤田 英明

1975年東京都生まれ。2005年に株式会社日本介護福祉グループを設立し、夜間対応型小規模デイサービス「茶話本舗」をスタート。
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八面六臂
代表取締役 松田 雅也

八面六臂 代表取締役 松田 雅也

1980年大阪府生まれ。UFJ銀行(現・三菱東京UFJ銀行)、物流系ホールディングスなどを経て、2011年に八面六臂株式会社を設立。
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Tokyo Otaku Mode
共同創業者/CEO 亀井 智英

Tokyo Otaku Mode 共同創業者/CEO 亀井 智英

1977年東京都生まれ。サイバー・コミュニケーションズを経て、2011年よりFacebookにTokyo Otaku Modeページを開設。
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コイニー
代表取締役社長 佐俣 奈緒子

コイニー 代表取締役社長 佐俣 奈緒子

1983年広島県生まれ。高校時代にアメリカ留学を経験。米ペイパル日本法人立ち上げを経て、2012年にコイニー株式会社を設立。
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カブク
代表取締役CEO 稲田 雅彦

カブク 代表取締役CEO 稲田 雅彦

1982年大阪府生まれ。東京大学大学院にて人工知能の研究に従事した後、博報堂を経て2013年に株式会社カブクを設立。
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エニタイムズ
代表取締役、CEO 角田 千佳(つのだ ちか)

エニタイムズ 代表取締役、CEO 角田 千佳(つのだ ちか)

東京都生まれ。野村證券株式会社、大手IT起業を経て2013年に株式会社エニタイムズを設立。
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(※コミックスの巻数は2015年12月時点のものです)

<考察>
7人の起業家が薦めるコミックまとめ

マンガの主人公は、常に何かしらの課題を持って成長し続けることが使命。それはベンチャー企業のあり方にも近いかもしれません。目標に向かって努力を続ける意義や、逆境のなかで培われる仲間との絆、常識に縛られない逆転の発想などなど、マンガには人生を果敢に生きていくためのヒントが溢れています。それこそ、リーダーのあり方やチーム作り、ビジョンの大切さなど、ベンチャーが成長していくために必要な要素に置き換えることもできるはず。

今年さらなる躍進をとげたベンチャー企業の創業社長に、影響を受けたマンガを教えてもらったところ、ビズリーチの南社長、日本介護福祉グループの藤田会長、Tokyo Otaku Modeの亀井社長の3氏が『サンクチュアリ』を挙げるという予想外の結果に。これだけ膨大な数のマンガがあるなかで、共通して1作が挙げられるとは驚異的です。

物語は、少年時代にカンボジア内戦を体験した二人の男が、一人は極道の裏社会、一人は政治の表舞台から日本を変革しようとします。巨大なビジョンを掲げ、清濁併せ呑む覚悟で目標に向かう男たちの姿は、萎えかけた心をきっと奮起させてくれるはず。マンガ評論の世界では、こうしたストレートに男のロマンを描いた作品はあまり評価対象になりませんが、こうして3人の起業家に影響を与えていることを考えると、これを名作と呼ばずして何を名作と呼ぶ!?いったところ。起業を目指す人はぜひ読んでおきたい作品です。

同様にビズリーチの南社長と八面六臂の松田社長が共通して挙げた作品が『課長 島耕作』。立身出世を目指すサラリーマン社会の代名詞のようにイメージされがちですが、実際は派閥争いや出世競争といった企業文化に迎合せず、自分なりの生き方を謳歌しようとする進歩的サラリーマン像を描いた作品。時代が違っていたら起業家になっていてもおかしくないタイプです。当初は悲喜こもごもの会社マンガといったテイストだったのが、『部長』『取締役』『社長』と島が出世するたびにスケールが大きくなり、日本メーカーとグローバリゼーションという壮大な経済マンガに発展。勉強になるばかりか、窮屈になりがちな仕事や経済という題材を痛快に読ませてくれます。

次に特筆すべきは、日本介護福祉グループの藤田会長、八面六臂の松田社長、コイニーの佐俣社長の3氏が中国の歴史ものを選んでいること。『蒼天航路』は三国志の曹操が主人公、『史記』は紀元前に司馬遷が著した中国の歴史書が題材、『キングダム』は春秋戦国時代の英傑たちを描いた作品です。いずれも史実が題材だけあって権謀術数の駆け引きが抜群に面白い。

特に近年のメガヒット作『キングダム』は、現代人が忘れかけた野心をベースとした組織論として読むこともできます。秦国王・政は壮大なビジョンを掲げるベンチャー社長、伝説の大将軍・王騎は誰よりも現場を知る理想の上司、主人公の信は野心あふれる新人社員といったところでしょうか。

今回のアンケートでは『ONEPIECE』や『進撃の巨人』といった現在進行形の大ヒット作が挙げられることを想定していましたが、生き方に影響を受けた作品となると、やはり10代の頃に読んだ思い入れの強い作品が選ばれるようです。スポーツ漫画に革新をもたらした『SLUMDANK』は今でも亀井社長にとってチーム作りの指針になっているし、「デジタルものづくり」で起業したカブクの稲田社長にとって『特攻の拓』が機械イジリの原点。『CHIPHER』は佐俣社長のアメリカ留学のきっかけになるなど、いずれもその後の生き方に少なからず影響を与えているようです。

また、『ゴルゴ13』『美味しんぼ』『ミナミの帝王』『ドカベン』といった100巻超えの大長編が多く挙がったのも印象的。こうした長期連載ものはスルメのごとく読めば読むほど人生の味わいが沁みてくるもの。目まぐるしいビジネスの現場に身を置くからこそ、普遍的な作品に惹かれるのかもしれません。

かつて、活字の本にくらべてマンガが一段低く見られる風潮がありましたが、今やマンガは自己啓発書以上に私たちの生き方や考え方に影響を与えていることが少なくありません。それこそ偉人の金言以上にマンガの台詞が心に刻まれているくらい。仕事のモチベーションを上げるには、ビジネス書よりもマンガのほうがズバリ効くかもしれない。

構成・文●大寺 明