Airbnbの運営ノウハウを活かして運営代行業にシフト。民泊ビジネスの現状と今後の課題とは!? 「WABISABY」が語る独立ノウハウ

田所 周平(たどころ・しゅうへい)1981年生まれ。3歳までスイスで育ち、その後は千葉県柏市で育つ。高校時代にアメリカLAのバスケットボールキャンプに参加し、海外に興味を持つ。早稲田大学の4年次にタイのチュラーロンコーン大学に1年間留学。大学卒業後、ピースボートの通訳やオーストラリアでワーキングホリデーを経験し、2012年よりAirbnbの物件を運営開始。2015年11月にearth community株式会社を設立。

――独立DATA――
●31歳で独立

【開業資金/300万円】
・物件の敷金礼金など3件分 210万円
・家具、生活備品等 26万円
・HP制作費 4万円
・SEO対策用のプロモーション費用 60万円
1L物件の敷金礼金と家具や生活備品などの初期費用が60~70万円として、最初に3件分の開業資金を準備。HP制作は業者にトップページだけ作ってもらうことで予算を抑えられたが、SEO対策として某大手IT企業のHPプロモーションサービスに60万円をかけたところ、ほとんど効果がなく大失敗だったという。

――事業内容――
WABISABY
AirbnbやHomeAwayなどのバケーションレンタルサイトを利用して、オーナーが所有する民泊物件の管理運用を行う。運営会社のearth community株式会社では、Airbnbの運営代行だけでなく、民泊事業者やレジャーホテルの清掃業務向けの人材派遣業も扱い、他にも中古自動車の輸出業や中国製品の販売業も手がけている。

2020年の東京オリンピックもあり、インバウンドビジネスが活況をていしている。その筆頭ともいえるのが、「民泊」を普及させたAirbnbだ。副業として始める人が増えたことで、「Airbnbの運営代行」という新業種まで登場した。しかし、かつてはドル箱だったAirbnbも今や供給過多となり、「以前ほど儲からなくなった」という声も聞かれる。逆にいうと、だからこそ運営代行サービスを利用して、自分の負担を軽減すべきかもしれない。日本におけるAirbnb最初期からの実績とノウハウを持つ「WABISABY」に話を伺った。

高校時代にバスケを通して海外に興味を持ち、大学時代はタイの大学に留学。語学を勉強して、海外で生活してみたかった

 中学高校とバスケットボールに打ち込んでいて、高校2年のときにアメリカのLAでマジック・ジョンソンのバスケットボールキャンプに参加したんです。当時は本気でNBAに行きたいって燃えてました(笑)。キャンプには世界中から若者が集まっていたんですが、当時の自分は英語がまったくしゃべれない。コミュニケーションが取りたくて英語が話せるようになりたいと思いましたね。

 大学進学後はバスケをやるためにアメリカに留学するつもりでした。TOEFLのゼミに通って勉強したんですけど、留学試験に落ちてしまった……。その後、友だちに誘われてバングラデシュのボランティア活動に1カ月半参加することになったんです。電気もガスも水道もないような地域でトイレを作るボランティアだったんですけど、ニワトリの羽根を自分たちでちぎったりして、縄文時代に戻ったみたいで最初はショックを受けましたね。

 そのぶん発展途上の国特有の熱気や「生きてる」っていうリアリティが肌で感じられて、「アジアって面白い」と思ったんです。それまで欧米にしか興味がなかったんですけど、ボランティア活動を通してアジアにも興味が広がりました。それからはバックパッカーでタイ、カンボジア、ベトナム、ラオスを旅するようになりましたね。

 大学4年のときにタイのチュラーロンコーン大学に留学しました。本当はアメリカの大学に留学したかったんですけど、4年次の留学試験に落ちてしまうと留学のチャンスがなくなってしまうと考えて、確実に留学できそうで、かつ親日的なタイを選んだんです。キャリア的にどうかと問われると言葉を失ってしまいますけど、とにかく楽しい日々で、結局、留学を半年間延長して大学を5年で卒業したという(笑)。

 大学卒業後は、とにかく海外で働きたくて、当時、急成長していた衣料品メーカーに就職しました。積極的に海外進出をしていたので、半年で店長として海外で働けるとうたっていたからです。ところが途中で方針が変わって、海外事業の縮小や新規事業の撤退が決まった。望みがかなわないことがわかって、1年ほどで退社することにしました。やっぱり自分はどうしても海外に関わる仕事がしたかったんです。

 退社後はピースボートの世界一周旅行に行きました。通常は半年間の船旅で120~200万円くらいかかるものなんですけど、通訳の仕事で行けばタダなんです。いろんな国が見られるという意味ではすごく良かったんですけど、ひとつの国の滞在日数が2、3日なので自分としては物足りなかった。やっぱり本当にその国の文化を知ろうと思ったら、1カ月や1年はいないとわからないですよね。

漠然と「海外と関わるビジネスがしたい」と思いながら、具体的に何をすればいいのかわからず、ずっとモヤモヤしていた20代の頃

 その後もバックパッカーで韓国や東南アジアを旅していたんですけど、心から楽しめない自分がいましたね。無職の宙ぶらりん状態なので、「これからどうしよう……」という不安がつきまといながら旅をしている感じで、今思うと20代の頃はけっこうモヤモヤしている時期が多かったですね。

 結局、帰国して再就職するくらいしか思いつかなくて、「海外営業」の4文字にこだわって転職先を探して、電機部品メーカーに就職しました。中国、台湾、シンガポール、マレーシアに出張で行く機会がありましたが、現地営業のサポート業務といった感じで、普段は本社でメールと電話を使って現地とやりとりをする仕事が多かった。「やっぱり海外で働きたい」という思いが募りましたね。

 2年ほどで退社して、ワーキングホリデーの制度を使ってオーストラリアに行くことにしました。旅行会社の日本語ガイドとして1年ほどオーストラリアで生活した後、帰国して今度はアメリカと貿易をする商社に就職しました。その仕事もメールと電話で現地とやりとりをする業務が中心で、海外に行く機会はなかったですね。

 5人ほどの小さな会社だったので社長と一緒に国内営業をすることが多くて、間近で社長の仕事を見ているうちに、「自分で事業をやりたい」という思いが強くなりました。もともと大学時代にアントレプレナー研究会に入ったりしていて、起業したいという思いはありました。だけど、そのときはお金がなかった。30歳近くになってお金もある程度できたわけですけど、今度は具体的に何を事業にするかという明確な答えが見つからない。ただ漠然と「海外と関わるビジネスがやりたい」という気持ちがあるだけでしたね。

 そんなとき、知人から中古車販売のサイトを使ったビジネスを教えてもらったんです。そのビジネスで独立しようと思ったんですが、加盟金に100万円くらいかかるし、自分は中古車業界のことがまるでわからない。まずは中古車業界を知ろうと思って、今度は老舗の中古車輸出会社に転職しました。

 その会社はクレーン車やユンボといった中古の建機も扱っていたんですが、たまたま仕入れ先が開拓できたので、パプアニューギニアで販売してみることになったんです。半年ほど現地に滞在して営業活動に奔走したんですけど、これがまったく売れなかった(苦笑)。500万円で買った中古のユンボが、船の輸送費に500万円ほどかかって1千万円になり、それを現地で1500万円で売ろうというのだから無理な話ですよね。結局、責任をとって退職せざるをえなくなったんです。

Airbnbが日本に上陸した2012年当時は、まさに「入れ食い状態」。短期間で初期費用を回収し、渋谷を中心にどんどん物件を増やしていった

 会社勤めのかたわら、『アリババ』や『タオバオ』を使って中国製品を輸入して転売するサイドビジネスをやっていたんですけど、退職後はそれを本業にしてやっていくつもりでした。だけど、それがうまくいかなくなってきて、どうしよう……と思いあぐねていたとき、『カウチサーフィン』(※旅行者が無料で泊めてくれる人を探すWEBサイト)のイベントに行ってみたんです。

 そこで出会った中国系アメリカ人から初めてAirbnbの話を聞いたんです。「中国輸入なんかやってないで、やってみたらどうだ」と勧められたんですが、ネットワークビジネスみたいなものかと思って最初は怪しい……と感じましたね。だけど、勧めてくれた人に何もメリットがない。興味が出てきたので、Airbnbの懇親会に行ってみたところ、参加していたホスト全員が全員「儲かっている」という話で、どんどん物件を増やしていた。なんだコレは!?って驚きましたね。

 渋谷が外国人に人気だということを教えてもらって、さっそく渋谷の不動産屋に行ってみました。だけど、2012年当時はAirbnbがまったく知られていなかったので、目的が転貸だとわかった途端、門前払いです。そのためAirbnb物件がすでに30件くらい入っていた渋谷のマンションを借りてやってみることにしました。

 当時は競合も少なかったので、まさに入れ食い状態でしたね。物件を借りるのに家賃6カ月分と家具代などの初期費用がかかるわけですが、2、3カ月で回収できるので、すぐに次の物件を出すようにして、1年間に5件ずつ物件を増やしていきました。毎年物件を増やして、渋谷を中心に最高で20件の物件を運営していました。

 今でこそAirbnbが社会的に認知されて、転貸可能物件も見つけやすくなっていますが、以前は自分が住むという前提で借りるしかなかった。そうすると、物件数が増えるにつれて保証会社の審査で自分の名義がかぶってくる。それを避けるために、知人に声をかけて名義を借り、費用と利益を折半して共同運営するようになったんです。

 Airbnbの運営は、部屋の掃除や鍵の受け渡しといった手間がかかるので、遠方に住んでいると負担になってきます。Airbnbを教えてくれた中国系アメリカ人が渋谷と新宿の物件を運営していたんですが、遠方に住んでいて大変だということで、運営の代行契約をすることになったんです。2013年頃から運営代行の会社がチラホラできていたこともあって、名義もかぶってきたことだし、自分も運営代行業に移行したほうがいいと判断しました。

Airbnbが社会的に認知され、やりやすくなった反面、規制も厳しくなった。今後の課題は、簡易宿所の資格を取るなど、いかに合法的にやっていくか

 Airbnbで外国人ゲストを受け入れる際に気をつけないといけないことは、たまにトラブルがあることです。部屋でパーティを開いて近所から警察に通報されたり、電子レンジを長時間つけっぱなしにして部屋中が臭くなったりといった思わぬことがあって、緊急対応しなければいけない場面があるんですね。

 そうしたトラブルが原因で撤退を余儀なくされるケースが多々あります。それを防ぐために注意事項を書いたチェックインマニュアルを用意していますが、それをちゃんと読んで守ってくれるかは、ゲストを信頼するしかありません。弊社ではAirbnbの売上の5%、20%、35%というプランの料金設定にしていますが、5%のプランはネット上のメッセージ対応のみで、20%のプランはトラブル時の緊急対応が含まれています(※35%のプランは掃除も含む完全対応)。代行契約をいただいている方のほとんどが緊急対応を含む20%のプランを選ばれています。

 Airbnbが日本に入ってきた2012年頃に比べ、今はかなり社会的に認知され、転貸可能物件を斡旋する不動産屋も出てきました。やりやすくなった反面、どんどん供給過剰になっていて、なかなか差別化できなくなっているのが現状です。

 以前は25平米くらいの小さな部屋でも大丈夫でしたけど、今はデザイーズマンションや60平米以上の大きな部屋でないと厳しくなっています。Airbnbの良さとしてファミリーや10人くらいの団体でも一緒に宿泊できるというメリットがあるので、最近は戸建ての一軒家が人気ですね。

 同時に規制も厳しくなっています。分譲マンションでやっていた物件が管理組合から退去を命じらるケースがかなり増えているので、一棟オーナーから転貸許可を得ていることがもっとも重要になっています。

 さらに旅館業法に違反するとして保健所から注意されるケースが増えているので、いかに合法的にやっていくかが民泊ビジネスの課題になっています。東京では大田区、大阪では大阪市が「特区民泊」になっていて、旅館業法の面で合法的に民泊ができます。弊社では簡易宿所の資格を取ることでその問題をクリアしていこうとしています。

 政府が2020年までに訪日外国人旅行者4000万人を打ち出していますが、私の予想では5、6千万人はいくと思っています。東京オリンピック以降も人口減少の問題があるので、規制の緩和策は今後も続くと考えられるので、インバウンドビジネスは今後も伸びていくはずです。ホテルの開発申請数も増えていますし、民泊ビジネスを始めたいという人も急激に増えています。

 そうした人たちをサポートするために物件を紹介したり、運営代行をするだけでなく、今後はホテルやゲストハウスの開発や運営に携わったり、民泊物件の施工や売買といった不動産業にシフトして、勝負する場所を広げていきたいですね。

Airbnb運営代行サービス 独立ノウハウ集

独立前

自分のお金を投資する練習をすべし

会社勤めと自分で事業をやる一番の違いは、「自分のお金を投資すること」だと田所さんはいう。会社の経費であれば自分の懐が痛むわけでもないのでそれほど気にならないが、自分のお金を使うとなると、失うことを恐れて30万円程度でも怖くなってしまうものなのだ。田所さんは会社員時代に副業で中国製品の転売ビジネスをやっていたことから、自分のお金を仕入れにあてることを幾度となく繰り返してきた。それが練習になり、Airbnb物件の初期投資の際も躊躇わずに自分のお金を投資できた。

英語は必須ではないが、有利であることはたしか

Airbnbは主に外国人が対象になるので、ネット上のやりとりは英語が基本。宿泊に際してやりとりする内容はある程度決まってくるので、語学力に自信がなくても可能だが、運営代行業になるとトラブル対応が求められるため語学力が必須となる。ちなみに民泊を利用する外国人で多いのが、シンガポール、タイ、マレーシア、アメリカ、オーストラリアだという。田所さんは英語とタイ語を話すことができ、タイのコンドミニアムの運営も代行している。また、民泊ビジネスの醍醐味は外国人旅行者とのコミュニケーションにある。仕事を通して国際交流を楽しむためにも語学力を培っておきたい。

Airbnb物件は外国人に人気の街を狙うべし

Airbnb物件は外国人に有名な街に出すことが最重要。中でも人気なのが渋谷、新宿、原宿、浅草、銀座など。田所さんは手始めに渋谷に最初の物件を出し、敷金礼金などの初期費用が回収できたら次の物件を出すようにして渋谷エリアに物件を増やしていった。ただし現在は競合が増えたため、駅名や駅チカという立地条件だけでなく、部屋の雰囲気や写真がよくないとゲストに選ばれにくい。以前に着物や兜を置いた純和風の部屋に出したところ、かなり好調だったそうだ。田所さんいわく、「コテコテの和風が好まれる」とのこと。

独立後

部屋クリーニングの人材を確保すべし

民泊ビジネスで課題となるのが部屋のクリーニングだ。Airbnb専門の清掃会社に頼むという手もあるが、料金が高くつくのでコストオーバーしてしまう。そのため『ANYTIMES』や『クレイグリスト』などのサイトを使って個人に依頼するホストも多い。田所さんの場合、最初の5件までは自分で掃除をしていたが、それ以上になるとさすがに自分一人では回せなくなった。たまたま日本語学校に通うフィリピン人と交流があったことから、彼らに定期的にアルバイトを頼むようにして人材を確保できたのだ。

Airbnb運営のノウハウを提供すべし

田所さんがAirbnbを始めた2012年頃は、競合が少なかったため、ほぼ100%の稼働率だった。しかし、現在は供給過多になったことで稼働率が6~7割という物件もあり、料金の相場も下がっている。以前は1泊1万2000円で貸し出していた部屋も、今では6、7千円が相場だ。赤字にはならないものの、以前ほど儲かるものではなくなったというのが実情。それもあって田所さんはAirbnbを始めようとする人をサポートする運営代行業に移行した。1件あたりの利益は小さくなるものの、初期費用をかけるリスクがなく、確実に収益が得られるからだ。

ファミリーや団体客向けに大型物件を扱うべし

当初はマンションの一室を中心に扱っていた田所さんだが、最近は60平米以上の戸建て物件にシフトしている。戸建てであれば隣室からのクレームもなく、複数名で宿泊できるので1泊あたりの料金も高く設定できる。1、2名向けの個室物件を多数扱うやり方は、ゲストとのやりとりが煩雑になるばかりか、掃除のために物件を行き来することが大変になる。それよりも一棟で多数のゲストを受け入れたほうが効率的だ。問題は何部屋もある高額物件に需要があるかどうかだが、家族や団体旅行で利用する人が多く、中には長期出張やインターンで3カ月、6カ月という長期間借りる人もいるそうだ。

取材・文●大寺 明  写真●高村征也

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International Bar Eight

東京都世田谷区北沢2-37-16 林ビル3F
下北沢駅より徒歩約5分

Airbnbのホスト5人が共同で、宿泊中のゲストが集まって国際交流が楽しめる場所として、2017年1月20日に下北沢にバーをオープン! もちろんゲスト以外の方も大歓迎です。最新カラオケもあるのでみんなで楽しみましょう!
詳しくは、Facebookページにて。