スクールに違和感を持ち、「だったら私がやる」とカラーセラピスト養成講座を自ら開発。カラーセラピスト講師が語る独立ノウハウ

Colour Lotus
土肥幸乃
/1977年神奈川県川崎市出身。
ラジオ局やテレビ局の仕事に携わった後、広告代理店でCM進行の仕事に携わる。色彩検定1級とカラーコーディネーターの資格取得後、2007年よりカラーセラピストの活動を開始。2010年にカラーセラピスト養成講座を開発し、2011年にサンキャッチャー・カラーセラピー講座を開発。サンキャッチャー・カラーセラピー協会 カラーセラピー教育研究所「Colour Lotus」代表として講師業に専念し、受講生は600人以上を数える。

――独立DATA――
【開業資金/計40万円】
・色彩検定1級・カラーコーディネーター資格取得費 30万円
・カラーセラピスト資格取得 10万円
色彩検定1級とカラーコーディネーターの資格は、1年ほどスクールに通って取得。こちらはきちんとしたスクールだったので30万円は妥当な受講料だったが、その後に通った個人講師が教えるカラーセラピストの養成スクールは、いかにも資格ビジネスといったもので、10万円の受講料が妥当とは思えなかった。しかし、そのときに感じた違和感が、土肥さんが講師業に踏み切るきっかけになったことを思うと、高い授業料だったかもしれない。

――事業内容――
Colour Lotus
カラーセラピスト講師

サンキャッチャー・カラーセラピー協会 カラーセラピー教育研究所「Colour Lotus」を運営し、講師としてカラーセラピストを育成。日本初の「サンキャッチャー・カラーセラピー講座」を開発し、スクールのほかイベントや展示会も開催している。「サンキャッチャー・カラーセラピー」に用いるアイテムのネット販売や、新たに考案した「サンキャッチャー・ジュエリー」の販売事業も行う。

「カラーコーディネーター」や「カラーアナリスト」など、店舗やファッションのカラーに関して、心理学的にアプローチする職業が人気だ。そうした色彩心理学を癒しに用いたのが「カラーセラピスト」という職業。いずれもスクールで学んでプロになるのが一般的だけど、中にはいい加減な資格ビジネスが横行しているのも事実。カラーセラピスト講師として活躍する土肥さんは、そうした状況に対する疑問から開業に踏み切ったという。

家業が経営難のため負債を抱え、ずっと借金返済のために働く日々……。自分のためにお金を使ったことがなかった

 実家が自営業だったんですけど、経営が悪化して大きな負債を抱えてしまったんです。家計を助けるために高校2年の夏休みからアルバイトをはじめて、毎月お給料を家に入れるようになりました。本当は美大を志望していたんですけど、家がそういう状態なので諦めるしかなかった。高校卒業後も20歳まで家業を手伝っていましたね。

 結局、お店は潰れてしまって、仕事を見つけなくてはいけなくなったんです。そんなとき、たまたま知人に紹介されたのが、某大手ラジオ局の仕事でした。もともとメディア業界を目指していたわけでもないのですが、業界経験ができたことで九州のテレビ局の東京支社に転職して、今度はテレビ業界の経験ができたことで、BSのテレビ局に転職しました。

 テレビの裏側を見ることができて、仕事自体は面白かったんですけど、そもそも私はテレビ業界がことさら好きというわけでもない。なぜここにいるんだろう?と疑問を感じるようになりました。私は借金の返済と家計を助けるために、会社勤めをしながらアルバイトをかけもちしていて、お金で苦労している。それとは逆に、テレビ業界の人たちは高収入なので、金銭感覚がぜんぜん違うんですよね。そのギャップが切なくて、業界から離れたくなってしまいました。

 こうして25歳のときにある会社に転職したところ、国内有数の広告代理店に出向することになったんです。また同じような業界だ……と思って、最初は乗り気じゃなかったんですけど、結局、その仕事を8年続けました。正社員だったので、これまでの仕事で一番稼ぎがよかったですし、CM進行という仕事も楽しかった。役職が付いたりもして、サラリーマンも悪くないなって(笑)。

 だけど、現実に目を向けると、私は4人姉弟の長女なので実家の借金を全部背負うかたちになっていて、お給料はほとんど借金の返済に消えていく……。アルバイトも2つか3つ、かけもちしていました。感覚が麻痺していき、なんのために働いているのかも、なんのために生きているのかも、わからなくなっていました……。私にとって仕事は、家族を助けるためのもので、自分のためにお金を使った記憶がほとんどないんです。

 20代の終わりにさしかかって、ふと「私、何やってるんだろう?」って思いましたね。借金の返済のほかに、家族の生活費として毎月8万円を渡していたんですけど、これまでの金額を計算すると、1千万円を超えていました。私にとって家族は絶対的に大切な存在だったので、それが当たり前のことだと思い込んでいて、現実が怖くて目を背けていたんです。

初めて「自分のためにお金を使ってみたい」と思い、色彩検定のスクールに通うことに。さらに勉強したいと思いました

 子どもを大学卒業させるまでに1千万円かかると言われていますよね。私が家族にそれだけのお金を使って何が変わったかというと、現状は何も変わっていない……。そのことに気がついたとき、ばっと目が醒めたんです。これまでの苦労は一体なんだったんだろうって。そのとき初めて自分のためにお金を使ってみたいと思いました。

 だけど、これまでずっと家族のためにお金を稼ぐことを目標に生きてきたので、自分が何をやりたいのかわからない。唯一思い浮かんだのが、子どもの頃から塗り絵や絵を描いたりすることが好きで、「色が好き」ということだったんです。とりあえず自分が好きなことにお金を使おうと思って、色彩検定の資格が取れるスクールに通うことにしました。

 自分のためにお金を使うことが、こんなにも楽しいことなんだって初めて気がつきましたね(笑)。スクールで同じ目標を持った仲間ができるのも楽しかった。それから一気に色彩検定の3級、2級、1級まで全部取得しました(笑)。

 色彩検定の授業の中に「色彩心理学」があるんですけど、それがきっかけで、さらに幼い頃に好きだったことを思い出したんです。私は小学生の頃から心理学に興味を持っていて、本を読んで独学で勉強していました。もっとさかのぼると、幼い頃の一人遊びが瞑想……だったんです。それが瞑想というものとも知らずにやってました(笑)。

 色彩心理学を通して自分の心が見えるようになり、自分がなぜ負のループにハマってしまったのか、だんだんわかるようになってきたんです。スクールで色彩検定1級とカラーコーディネーターの資格を取ったものの、せっかくいい流れができてきたのにこのまま終わりにしたくない。すぐに次の道に進みたくなって、今度はカラーセラピストの講座を受講することにしました。

 個人講師のスクールだったのですが、これがかなり疑問の残る内容だったんです。8時間の講義で10万円ほどなのですが、テキストが10ページくらいしかない(苦笑)。私は子どもの頃から心理学が好きだったので、ユングやフロイトの知識があったわけですけど、そのテキストには数行の紹介文が付いているくらいで何も教えていない。すごく違和感を感じました……。

 それでいて、講義が修了するとすぐに資格が発行されて、追加で3万円支払うと先生の資格まで取得できてしまうんです。お金で資格を売買する商売という感じでしたね。ということは、教えている先生自身がその程度かもしれない。なんだこの世界は?って(苦笑)。

「自称セラピスト」をなくすためには、自分が経験を積んで、人に教えるしかない。自ら「カラーセラピスト養成講座」を開発

 中には本当に力を入れて教えている先生もいると思うんですけど、こんなスクールが他にもあると思うと、すごく怖いことだと思いましたね。何も知らずに受講して、「資格を取ったから私はもうカラーセラピストだ」と思ってしまう「自称セラピスト」がいっぱいいるんだろうな……と。そんな人にメンタルをみられなくないですよね。

 疑問を感じながら帰り道を歩いていたとき、稲妻に打たれるような感覚がありました。まさに「ビジョンが見えた」という感じで、私がカラーセラピーを生徒さんに教えている映像が脳裏にぱっと浮かんだんですよね。これはもう私の天職だから「生涯やる!」と、根拠のない自信がわいてきて、強く決心しました。

 それからの10年間は、それを実現するために本当にあっという間でした。まず、やり方を学んだだけの「自称セラピスト」との決定的な違いとして、実際に人をカウンセリングする経験を積もうと思いました。そんなとき、たまたま銀座の占いカフェのオーナーと知り合ったんです。私は占い師ではなくセラピストですけど、相談者の心を視るという点では通じるものがあるということで、占い師として参加することになったんです。

 当時はまだ会社勤めをしていたので週に1日だけでしたけど、1日10人以上担当していたので、その他のカウンセリングも入れると月に70人、1年で840人という感じで、気づけば2000人くらいカウンセリングしていました。さらにお客さんにアンケートをとって、その回答から「こういう話をすると悩みを解決するヒントが得られる」「こういうふうな話の内容だと癒される」というふうに統計をとり、分析していったんです。

 大変な道のりでしたけど、自称ではない「カラーセラピスト」を名乗れる自信がつきましたね。その頃には、職業を聞かれたときに「広告代理店勤務」と答えることに自分でも違和感を感じるようになっていました。こうして思い切って会社を辞めて、「カラーセラピスト」としてやっていくことを決心したんです。

 同時に、自分がこれまでに得てきたようなことを誰も教えていないんだったら、自分で講座を開発して人に教えようと思いました。こうして最初に開発したのが、「カラーセラピスト養成講座」です。私が受講した講座のテキストは10ページくらいでしたけど、私が開発した講座のテキストは60ページあります。講座を修了した段階で修了証は発行しますが、すぐにカラーセラピストの認定はしていません。本当にカラーセラピーができるかどうかをチェックする認定制度を設けているからです。

カラーセラピーを「もっと身近なものにしたい」という思いから、日本初の「サンキャッチャー・カラーセラピー講座」を開発

 これまで興味がなかった人たちにカラーセラピーを広げていきたいという思いもありました。受講する生徒さんは、必ずしもそれを職業にしたい人ばかりではありませんよね。子育てに悩んでいる主婦の方やビジネスで成功したい男性の方、そうした人にカラーセラピーをわかりやすく伝える方法はないかと考えて開発したのが、「サンキャッチャー・カラーセラピー」です。

「サンキャッチャー」とは、もともとクリスタルガラスなどで造られたインテリアです。これ自体は珍しいものではないのですが、カラーセラピーと融合させた講座はどこにもありません。私が日本で初めて開発した講座です。だから、SEO対策をしなくても検索すると私のHPが一番に上がってくるんですよね。

 最初に学んだカラーセラピーは、色付きの液体が入ったボトルを10本使用して、相談者に直感でボトルの色を選んでもらうことでカウンセリングをしていました。これがとにかく重くて、持ち歩くのに不便だとずっと思っていました。私はカラーセラピーをもっと身近なものにしたいんです。たとえば、友達から悩みを相談されたときに、「じゃあやってみる?」とすぐに出して見せることができなければ、あまり意味がないと思っています。

「サンキャッチャー・カラーセラピー」で使用する色付きのクリスタルガラスは、ポーチに入れていつでも持ち運ぶことができる大きさです。光を透過しやすいので、テーブルに色が映って、カラーセラピーの際にすごくキレイで効果的なんです。その他に、ビーズやスワロフスキーなどの飾りを組み合わせて、オリジナルのサンキャッチャーを作ってみるワークショップも開催しています。これもカウンセリングのひとつで、完成した作品から心の状態が読み取れるんです。

 今は講師業に専念しているのですが、特にエネルギーを注いでいるのが講師の育成です。癒し業界では、トップに上りつめた講師が、もっとも大事なことを生徒に教えないということが普通にあるんです。それは「抜かされたくない」という恐れの感情から来ているものだと思うんですけど、人を癒すことを目的とした仕事で、そんな感情があってはならないですよね。まずそうした感情を「手放しましょう」と教えています。

 自分が培ってきた技術を生徒が真似して、自分以上に上手くやっていたら、たしかに普通はイヤかもしれない。だけど、真似されるということは、いいと認められたということですから、笑顔になっている人が増えているはず。だったらOKじゃないですか。「なんのために癒し業界に入ったのか」そこを一番最初に教えているので、うちの協会は争いごともなく平和です。みんながハッピーになれることは全力でやる。逆に人がハッピーになれないことは絶対にやらない。これが私のモットーなんです(笑)。

カラーセラピスト講師 独立ノウハウ集

独立前

ブレない信念を持つべし

土肥さんは17歳の頃から実家の借金で苦労してきたわけだが、もうすぐ完済を終え、今は「すごくハッピー」だという。そうした経験もあって、「多くの人をハッピーにしたい」と思うようになり、カラーセラピストの道を歩んだ。その信念が「ハード」だとしたら、それを具現化する講座の開発やカラーセラピー用のグッズ販売といった事業は、「ソフト」だと考えている。ソフト面では、10代の頃に家業を手伝っていたとき、どうすれば商品が売れるかを真剣に考えたことが今に活かされているという。「ハードがブレなければ、自然とソフトが展開していく」と実感しているそうだ。

多種多様な仕事を経験すべし

土肥さんは副業のアルバイトを含め24職種を経験。「ひとつの会社に長く勤める」という働き方にコンプレックスを持っていたそうだが、あらためて振り返ると、さまざまな職種を経験できたことが、ラッキーだったと感じている。終身雇用の時代とは違い、今は個人の経験値が求められる時代だ。それこそ1社だけしか知らないベテラン社員より、多くの企業で仕事をしてきた派遣社員のほうが経験値では上だったりする。多種多様な職種を経験し、世の中を広く知ることができたことが、カラーセラピストとして人をカウンセリングする際に活かされている。

退路を断って、全エネルギーを注ぐべし

会社勤めの一番のメリットは、定期収入が得られること。この安定を捨て、独立するのはやはり不安である。独立直後の土肥さんもカラーセラピストとしてやっていける自信が持てず、古巣のラジオ局で3年契約のアルバイトをしていた。あくまでカラーセラピストが本業のつもりだったが、不安が払しょくできず、次のアルバイトを探している自分がいた。あるとき「決心が足りないから本業も上手くいかないのだ」と気づき、副業を辞めて、すべての時間とエネルギーを本業に費やすようにしたところ、本格的に本業が回り出した。何かを実現したければ、ときには退路を断つくらいの覚悟が必要だ。

独立後

講座修了後も、誠意をもって指導すべし

現在の土肥さんは、講師業に専念している。これまで600人以上が受講し、実際にプロのセラピストとして活躍している人も多い。そのうち人に教えることができるティーチャー資格認定者は10分の1の60人程度。日本全国に土肥さんが開発したカラーセラピスト養成講座が広がっているわけだが、ときにはその先生が活動する地域に出張して、教え方を指導するなど、かなりのエネルギーを注いでいる。先生の資格を発行して終わりではなく、その後も徹底的に指導していくのが土肥さんのポリシーなのだ。

座学だけでなく、実践の場を提供すべし

知識を教えるだけで資格を与えてしまうスクールは多い。しかし、実際にプロのセラピストとして活動するためには、知識を実践してみる経験が絶対に必要。そこで土肥さんは、実際に人と対面で実践する場を提供すべく、無料の練習会を開いたり、イベントを開催して、生徒に経験を積ませるようにしている。かつて土肥さんが2000人もの人をカウンセリングして技術を向上させていったように、実際に生身の人間を相手に実践していかないと、セラピストとしてのレベルアップは望めない。

メディアを使って情報発信すべし

土肥さんは広告を出したりせず、ブログやSNSで情報発信するくらいだった。しかし、カラーセラピーのことをより多くの人に知ってほしいという思いから、情報発信する方法はないかと模索していたところ、インターネットラジオ局『渋谷クロスFM』のラジオパーソナリティーの話が舞い込んできた。自らがスポンサーとなり、60分番組の枠を自由に使えるというもので、構成もタイムテーブルも自分で決められる。土肥さんはカラーセラピーの情報発信をするだけでなく、お店や会社をPRしたい人に番組の一部を提供し、ゲストとして招いている。こうしたメディア展開が、カラーセラピストのイメージアップにもつながっているそうだ。

【ShibuyaCrossFM】
「生き方カタログ ~あなたの人生に誰かのスパイスを~」

取材・文●大寺 明

Colour Lotusオリジナルの光のアクセサリー


Suncatcher® Jewelry
AURORA

サンキャッチャー・ジュエリーは、光輝くクリスタルガラスをジュエリーとして身に着けることで、邪気を払い、内面の輝きを引き出す、そんなインスピレーションを受け取り、生み出されました。

ガラスは一見「人工物」という見え方がすると思いますが、ガラスの成分は土から、光りを放つために必要な亜鉛は植物から採れるのです。そして加工するための息吹は人が注ぐスピリット。

だから、サンキャッチャー・ジュエリーは身に着けるその人を光り輝かせることが出来るのです。ぜひ多くの人に手に取っていただき、今よりもっと輝いてほしい。それがColour Lotusの願いです。