信長が愛した”囲碁”に学ぶ!仕事の効率を飛躍させる決断術

あなたは今、仕事を完璧にこなせていますか?

この質問に”はい”と即答できない方。仕事が思うように進まずどんどん溜まっていき、仕事が終わらないという経験をしたことがあるのではないでしょうか。日頃から大量の仕事を抱えるサラリーマンにとって永遠のテーマとなるのが、”仕事を効率よく進める”ということ。そのためには、タスクを処理する優先順位を上手く決めることが必要になります。

そこで今回は、決断力を鍛えるのに適したゲーム”囲碁”で使われる思考プロセスを紹介します。囲碁の思考プロセスから、優先順位の決断の方法を学んでいきましょう。

選択肢の多さがあなたの”決断”を妨げる

私達が1日に下す決断の数は70

私達は、日頃からたくさんの決断の場面に遭遇します。

コロンビア大学ビジネススクール教授のシーナ・アイエンガー氏がアメリカ人2千人を対象に行った調査によると、私達が1日に下す決断の数は平均70にも上るそうです。そして彼女は、ジャムの実験をもとに、決断についての重要な示唆を私達に与えてくれます。

”私は、6種類のジャムと24種類のジャムをそれぞれ並べて、購入する人の割合がどのように異なるのかを実験してみました。すると興味深いことに、6種類のジャムを並べたときの方が、24種類のジャムを並べた時に比べてジャムを購入する人数が6倍多くなったのです。このことから、選択肢が過剰にあると、”ジャムを購入する”という私達の決断力が大きく鈍ってしまうことが分かります。” 
TEDトーク「選択をしやすくするには」
より引用

あなたの仕事を振り返ってみてください。仕事に時間がかかるときは、往々にしてタスクをたくさん抱えて、何から取り掛かっていいか分からない状態であることが多いのではないでしょうあか。つまり、仕事を効率よく進めるためには、数多くある選択肢の中から、いかに優先順位をつけていくかということがポイントになるのです。

武将達が好んだ”囲碁”が、いま注目を集めている

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決断力を高める手段として、近年注目されているのが”囲碁”。囲碁は戦略を立てるゲームとして古くから武将達に好まれ、織田信長や徳川家康も囲碁を打っていたことが記録として残っています。最近では、人工知能の囲碁プログラム「AlphaGo(アルファ碁)」が韓国のトッププロに勝利するなど、囲碁好きの枠を超えて囲碁が話題になることがしばしば。実はこの囲碁、決断力や論理的思考力を養うために大学の講義で取り入れるところも増えてきているのです。

囲碁のルールは”陣地を取り合い、最後に自陣と相手陣を比較して大きかった方が勝ち”という単純なもの。囲碁が他のボードゲームと最も大きく異なるのは、”自由な場所に打つことができる”という点です。駒の動きが決まっている将棋やチェスに対して、囲碁は基本的に自分の好きなところに打つことができます。さらにその上、19×19=361もの交点がある広い盤を使うため、対局者は膨大な選択肢の中から次の一手を選ばなければなりません。

この”選択肢の多さ”が、仕事における決断のスピードを格段に上げる訓練になるのです。株式会社グロービスの代表であり、実業家としても知られている堀義人氏も、囲碁が決断力を鍛えるということについて言及しています。

囲碁をやっている人の決断プロセス

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ここまで読んで、「囲碁をやってみよう!」と思った方は、かなり行動力と好奇心に溢れた方だと言えます。
ほとんどの方が「囲碁が何となくすごいのは分かったけど、難しそうでやる気にはなれない」と思ったのではないでしょうか。実際は、囲碁のルール自体はそこまで難しくはないのですが、やってみるハードルはかなり高いものです。そこでこの章では、囲碁を打つ人の頭の中を覗いてみましょう。

囲碁を打つ人は以下のような思考プロセスを経て、”次の一手を打つ”という決断をしています。

1.相手が打った手を分析する
2.自分が打つ手の選択肢を探す
3.それぞれの候補の手を選択した場合、どのような結果になるのかを予測する
4.予測した選択の中から最善の結果になる手に決定する

このサイクルを繰り返しながら、囲碁を打っているのです。
それぞれのプロセスでどのような事を考えているのか、また、それらが仕事においてはどのような意味を持っているのか、1つずつ見ていきましょう。

1.相手が打った手を分析する―分析

まずは、相手が打ってきた手を分析し、相手がどのような意図を持っているのかを理解します。これは、”現在自分が仕事でどのような状況に置かれているのかを把握する”作業にあたります。

2.自分が打つ手の候補を探す―仮説

次に、自分が打つべき手の候補を洗い出します。この作業は、”仕事で自分がこれからとるべき行動の優先順位の候補を考える”作業に当たります。

3.それぞれの候補を選択した場合、どのような結果になるのかを予測する―予測

打つ手の候補が決まったら、それぞれの候補の手を打った場合、この先どのような展開になるのかということを予測します。仕事に置き換えると、自分がある優先順位で行動した場合、どのような状況になるのか予測します。もしここで良くない状況になることが予測される場合は、違う選択肢を模索します。

4.最善の結果になる手を打つ―決定

考えられる打つ手の候補を考慮し、最善の結果になる手を打ちます。仕事においては、考えられる行動の優先順位について、予測される結果を比較し、最善の結果になると予想される優先順位で行動します。

分析→仮説→予測→決定のサイクルを回して、決断を高速化

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前の内容の章をおさらいすると、仕事で決断が必要になったときには、「1.決断が必要な事象についての分析を行う(分析)」「2.とり得る決断の候補を洗い出す(仮説)」「3.それぞれの決定をした場合の結果を予測する(予測)」「4.最善の結果になると予測されるものに決定する(決定)」というフレームに当てはめて考えることが大切です。このフレームを意識しながら日々決断を行うことによって、次第に素早く・正確な判断を下せるようになるでしょう。

どれだけ選択肢があっても、私達がとることができる選択はたったのひとつ。後悔しない決断をするためにも、きちんとしたフレームをもとに考えることが必要なのではないでしょうか。皆さんもぜひこの考え方を使って、決断をする習慣を身につけてみてください。