【バナナマン・くりぃむしちゅー】心理学者に聞いてみた!誰でもできる初めての「司会学」(後編)

常に中立の立場で、イベントや行事を「始め、進め、まとめ、終わらせる」という重要な役割を担っている司会。前編では、鶴瓶さん、タモリさん、さんまさんの魅力と司会術について、心理学者の内藤誼人先生に教えていただきました。

※前編はコチラ

内藤先生

さて、後編である今回は、ポストBIG3(タモリ、ビートたけし、明石家さんま)と呼び声の高い中堅どころの司会者の魅力の解説から、有名司会者から真似るべきところ、進行役において重要なことについて、引き続き内藤先生に教えていただきます。

数は力!1人でダメなら2人で戦え!

バナナマン設楽統さん・日村勇紀さん

ー さて、先生。いよいよ後編です。大御所の司会者はもちろん、今やバラエティ番組の定番の司会者やニュースキャスターも務めている方まで、様々な司会者がいらっしゃいますが、次に先生が選ぶ司会者はどなたでしょう?

最近一緒に番組をやらせてもらっている、バナナマンさんです。バナナマンさんの特徴はやはり2人で司会を務めていることですね。コンビで司会をするというのもとても有効な手段だと思います。

ー なぜ2人で司会をすることが有効なのでしょうか?

単純に「数は力」だからです。1人だと心細くても、2人でなら心強いものです。とはいえお2人とも、とても力のある人たちですから、ソロで番組に出ることも多いのですが、やはり2人のときの方がおもしろく感じます。これは、相乗作用によって2人の魅力が高まっているからだと思います。

ー 「1人でダメなら2人で」というのは、司会に限らず様々な場面で使えそうな気がしますが…?

まさにその通りです。ビジネスシーンでも、合コンなどでも、自分1人だと不安なのであれば、グループで人の力を借りる、というのもひとつの戦略だと思います。

最近は婚活でも2人以上のグループ参加でやるものも増えていますしね。個人で参加するよりも、グループでの参加した方がお互いの魅力を出しやすいのだと思います。

チームプレーで個人の魅力を水増しすることができるので。こういうところをうまく使っているのがバナナマンさんの大きなポイントでしょう。

ー では、個人の魅力を水増しするためには、どういうパートナーを見つけたらよいのでしょうか。

よく言われるボケとツッコミのように、1人ずつきちんと役割があることが大切だと思います。つまり、2人いて2人ともボケてるだけじゃダメってことです。また、1人は善人、そしてもう1人は悪人といったように、コントラストを効かせた2人の方がいいと思います。 グループで行動するときは、よくしゃべる人と聞き役に回る人のように、役割をきちんと分ける。そういう組み合わせでいくと、お互いのいいところがうまく引き出せるのではないでしょうか。

豊かな表情で人間味をアピール!

 

くりぃむしちゅー上田晋也さん

 

ー いよいよ最後になってしまいました。

最後に注目したいのは、くりぃむしちゅーの上田さんです。

ー なぜ上田さんなのでしょうか?

まず上田さんに関して特筆したいのは、表情の豊かさです。上田さんはその時々で表情を大きく使い分けてしゃべるタイプの司会者です。

これは鶴瓶さんや他の司会者にも言えることなのですが、特に上田さんは笑うときに頬肉を上げて笑います。心理学的に見ていて気持ちの良い笑顔というのは、頬肉を上げて笑う笑い方だと言われています。表情豊かに笑う上田さんは、まさにこの気持ちの良い笑顔でいることが多いですね。 また上田さんの場合、笑顔だけでなく怒った顔やふざけているときの顔などを大きなリアクションを取る傾向があります。そうした喜怒哀楽の抑揚の大きさが人を惹きつけているのではないでしょうか。

ー たしかに声と表情はとても大きい印象があります。それから上田さんの人気の秘密として、年上の人にも年下の人にも毒を吐くことが挙げられますが、そのあたりはどう思われますか?

上田さんの毒の吐き方はとても秀逸だと思います。毒を吐くというのはすごく匙加減が重要なのです。相手が本当に言って欲しくないところには言わないことはもちろん、毒を吐いた相手に笑われなきゃダメなんです。

毒を吐かれた相手が思わず笑ってしまうような毒の吐き方がポイントになるのです。いじられて嬉しい毒の吐き方を意識しているのだと思います。

ー 毒の吐き方にもコツが必要なのですね。他にも何か魅力はありますか?

上田さんには飾り気のない庶民性があります。司会者にとって、これはとても重要なのです。なぜならそういう人には、親密感がある。視聴者にとって自分と距離が近いという感覚はとても大切なんですよね。

例えばこれをとてもかっこいい俳優さんがやっていてもどこか「テレビの中の世界のこと」と他人事に感じてしまいますが、庶民性のある人がニコニコしながら身振り手振りを交えてやるというところに視聴者は、人間の魅力を感じるのではないでしょうか。そういった意味で上田さんは特に優れた司会者であると言えますね。

共感と好意で、相手との距離を縮める!

imasia_18223194_M

ー ここまで、5名の有名司会者の魅力を語っていただきました。それぞれの司会者の特徴から学ぶこともあるわけですが、改めて司会者の方全体を通して、私たちが真似すべき点や見習うべき点を教えてください。

司会術全般に言えることは、相手がどんなコメントをしても「わかる!」と言えるようにしておくこと。すなわち共感する力です。日常感じていることや小さい頃の話などに対して共感できれば、いっぺんに仲良くなれる。

しかし、嘘をついてまで無理に共感をしてもすぐにばれてしまいますので、あらかじめ自分で経験しておくことが大切です。興味の幅を増やして、話の間口を広くとっておけば必然的に共感できるところは多くなってきますから。

共感する力を養う

ー 相手に対して共感できるというのはとても重要なスキルなのですね。他にはどんなことが重要なのでしょうか?

あとは、鶴瓶さんのときにも言いましたが、相手が男であれ、女であれ、自分が惚れっぽい体質になることですね。出会う人みんなを好きになる

ー 「相手に対して興味を持って接する」んでしたよね?

そうです。興味を持って接して好きになってしまえば、人間関係でまず問題ありません。なぜなら、人は自分に好意を持ってくれる人間を嫌いになることって難しいんですよ。

例えば、自分の全然タイプじゃない人でも、告白されれば、なんとなくその人のことを気にしてしまいますよね。それと一緒で、自分のファンになってくれたって思えばやっぱり悪い気はしません。

相手への共感、そして好きになるというのはいずれも、相手との距離の近さをアピールして、壁を感じさせないためのスキルです。当然これはテレビの司会者でなくても通用するスキルです。司会に幹事など、ビジネスの場ではもちろん、恋愛や人間関係全般において言えることなので、ぜひ見習ってほしいです。

進行役の真価が問われるのは、事前準備が8割!

あらかじめの事前準備が大切

ー 相手への共感と好意で、壁を乗り越えていくことが大切なのですね。最後にお伺いしたいのですが、「進行役なんてできないよ!」と頭をかかえる人たちに何かアドバイスをいただけないでしょうか。

司会や幹事の人に大切なのは、あらかじめの事前準備です。会議でも飲み会でも有意義な会というのは、それを取り仕切る人たちがしっかりとあらかじめ段取りをしてあります。

資料を作って終わり、お店を予約したら終わり、ではなくてどんな話が出てくるのか、2次会はどこで行うのかまでを入念に準備し、手を回しておきます。

上手な司会者も事前準備は怠りません。きちんと計画性を持って、構成を事前に練っておくというのは、場を取り仕切る人には必須事項なのです。

誰でも使える司会術

ー これまで、「司会学」をテーマに、誰でも使える司会術や、進行役をやる上で内藤先生にご紹介していただきました。相手といかに近い距離を取れるかがポイントなので、ご紹介したテクニックをみなさんも実践してみてください。内藤先生、たくさんのお話ありがとうございました!

※前編はコチラ

内藤先生が現在ご出演中の番組はコチラ!
教えて!ココロくん