顧客に満足を超えた感動を提供し続けるリッツカールトン、すべての従業員が誇りを持って働ける理由

世界中の人々を感動させるリッツ・カールトン

その神業とも呼べるサービスで、多くの利用者に感動を与えるリッツ・カールトン。1898年にフランスのパリで創業してから100年以上、今では世界中に展開し、ファンを獲得し続けています。

満足を超えた感動を提供するそのホテルのサービスは、「ザ・リッツ・カールトン・ミスティーク(リッツ・カールトンの神秘性)」と呼ばれるほど驚くべきものです。伝説と言えるほどの数々のエピソードを生み出し、今もなお語り継がれているものもたくさんあります。

その神秘性、リッツ・カールトンの感動を生むサービスの秘訣とは、いったい何なのか。エピソードと共に、その裏側に迫ります。

ザ・リッツ・カールトン・ミスティークを生み出すクレド

リッツカールトン
画像出典:http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000009643.html

スタッフがサービスを行うに当たって、ゴールドスタンダードの「クレド」が共通の価値観となっています。クレドとは、ラテン語で信条の意味。そこには、リッツ・カールトンで働く全てのスタッフが信条とする、理念や使命、共通の価値観が詰まっています。

「ザ・リッツ・カールトンはお客様への心のこもったおもてなしと快適さを提供することをもっとも大切な使命とこころえています。私たちは、お客様に心あたたまる、くつろいだ、そして洗練された雰囲気を常にお楽しみいただくために最高のパーソナル・サービスと施設を提供することをお約束します。ザ・リッツ・カールトンでお客様が経験されるもの、それは感覚を満たすここちよさ、満ち足りた幸福感そしてお客様が言葉にされない願望やニーズをも先読みしておこたえするサービスの心です。」

引用:http://www.ritzcarlton.com/ja/Corporate/GoldStandards/Default.htm

従業員は、このクレドが記された名刺サイズの「クレドカード」を、身だしなみの一つとして常に携帯し、お客様の心に残るようなサービスをするべく、日々励んでいるのです。そして、その実現をより現実的なものにするため、リッツ・カールトンにはいくつかの重要な仕組みが存在します。

クレドを実現させるための仕組み

リッツカールトン沖縄
画像出典:http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000004649.html

1日24万円の使用が可能!現場への権限委譲

全ての従業員は、お客様へのサービスに関して、1日につき2000ドル(約24万円)までの金額を、上司の決裁を仰ぐことなく使うことができます。

有名なエピソードのひとつに、こんなものがあります。大阪で宿泊のとあるお客様が、ホテルの室内に書類を忘れて帰っていかれたそうです。それに気づいた従業員は、そのお客様を追いかけて東京行きの新幹線に乗り、無事その日のうちに会社まで書類を届けたとか。これも、その制度があったからこそ行動に移せたことです。

リッツ・カールトンでは、従業員が顧客のために、ゴールドスタンダードをふまえ自分の考えで動けるか、ということが大切にされているのです。

世界中の店舗で共有される顧客情報「CLASS」

こんなエピソードもあります。リッツに滞在した際、従業員と好きな食べ物や果物について雑談し「オレンジが好き」と言ったら、それ以降、宿泊するたびに部屋にはオレンジが置かれているそうです。

また、一度リッツ・カールトンに滞在したら、チェックアウトした際の部屋の空調の温度、部屋の家具の配置などが顧客情報システムに記憶され、次回からはそれと全く同じように空調が設定、家具が配置されてある、と。

このように、リッツ・カールトンには「CLASS」と呼ばれる顧客情報システムが存在し、お客様の細かい好みに合わせてサービスを行うことができます。そしてそれは、どのリッツ・カールトンの店舗でも共有されるので、世界中どの店舗に宿泊しても同じようにサービスを受けることができるのです。

これぞリッツ・カールトンのトップ!「ファイブスター」

社員のやる気を引き出すための仕組みもあります。

3ヶ月に一度、社内の全32セクションの中から、それぞれ最も表彰されるべき社員を選出し、その中から5人を「ファイブスター社員」として表彰する制度を設けています。ファイブスターに選ばれた者は、胸にバッチを付けることが許可され、お客様もその存在を把握することができます。

誇りを持って働ける制度が、従業員のモチベーション向上に一役買っているのです。

意識共有で日々の成長を「ラインナップ」

部署ごとに行われている毎日15〜20分の朝礼も、特徴的です。この朝礼には、経営トップから皿洗いのアルバイトまで、すべての従業員がかかさず参加します。また、朝だけでなく、レストランの部署などではランチ前、ディナー前にも行われ、ハウスキーピングなどシフト制の部門では1日に数回行われます。

そして、この朝礼の特徴は、その内容にあります。

この朝礼は、司会者が投げかけた質問に対し、皆でミーティング、およびディスカッションを行うというもの。

「紳士淑女になるために、あなたはどんなことをしていますか?」など、リッツ特有の質問に対して日替わりで話し合うことで、信条やサービス哲学に対して皆で理解を深めていくのです。この朝礼は、「ラインナップ」と呼ばれています。

伝説は、1枚のカードから生まれる

リッツカールトンロビー
画像出典:http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000004649.html

一流ホテルの接客の裏側では、従業員の価値観を同じものに高めるため、様々な工夫が施されていました。

問題があれば、全員で話し合い、良いと思ったことはすぐに行動に移す。そんな共通の意識が存在するからこそ、「ザ・リッツ・カールトン・ミスティーク」は生まれるのです。

お客様のことを第一に考え、そのニーズの先の先まで読んで行動する。従業員全員がそれを可能にすれば、伝説的なサービスを生み出すことは難しくないのです。リッツ・カールトンのクレドを身につけることができれば、これを読んでいるあなたも、伝説を生み出すことができるかもしれません。