【マーケッター必見!】行動デザイン学に見る「思わず人が動いてしまう18のツボ」

人を動かすというのはマーケティングに携わる者にとって常に達成しなければならないゴールです。書店に行けば実に多種多様なマーケティングのビジネス書が並びます。しかし、ひとたび学び始めると、いかに専門的な学習が必要か思い知らされることになります。

人を動かす方法論はいくつかありますが、今回は「思わず人が動いてしまう18のツボ」を行動デザイン学の観点からご紹介します。

チャルディーニの6つの法則

shutterstock_356002043

まず、土台となる「チャルディーニの6つの法則」について述べたうえで、行動を促す18のツボについて解説します。

マーケティングでいうところの「人を動かす」ことについて学会に大きな影響を与えたのが、アメリカの社会心理学者である、チャルディーニです。彼は現代において、増加の一途をたどる情報量と、脳の処理能力のギャップから、人々は「なるべく楽に物事を判断しようとする」と提起しました。

物事を一つ一つ慎重に検討していては、あふれる情報量に脳のキャパシティーが追い付かないため、判断を簡略化しようとするわけです。そこで人々は、経験から「楽に正しいことが多い」情報処理の仕方を習得することで、頭が疲労することを回避しました。

これをチャルディーニは「簡便法」と呼び、6つの法則に分類しました。具体的に見ていきましょう。

1. 返報性の法則

何かをもらったから、何かを返さなければ!

2. 一貫性の法則

一貫性のある人間だと思われたい!

3. 社会的照明の法則

たくさんの人がやっていることは正しい!

4. 権威の法則

偉い人や専門家の意見は絶対だ!

5. 好意の法則

好意を持つ相手に対してはイエス!

6. 希少性の法則

今しかその機会はないのだから、逃すわけにはいかない!

これらには判断が伴っています。つまり、「こうなのだから、こうだ」というように、結論や行動に至るまでに、ラクをしつつも一旦考えるわけです。

しかし、世の中には考えるという過程を経ずして行動に至るシーンが見受けられます。例えば、100万円突っ込んで買った馬券が10倍になった瞬間、人は条件反射的に思わず飛び上がるでしょう。

このように、情報処理の「簡便法」に基づかない、衝動的な意思決定や行動があるとすると、それらも分析対象に含め、再度マーケティングという観点から体系化することで、行動を促すロールモデルが得られます。そしてそれこそがまさに、「人を動かすための18のツボ」なのです。

人を動かす18のツボ

shutterstock_105092975_Fotor

これを生み出したのが、博報堂行動デザイン研究所。過去に成功を収めたマーケティングを収集、分析し、いくつかに分類し整理しました。その各分類が、「ツボ」なわけです。

その中でも、「行動を促進するツボ」「行動の抑制を取り除くツボ」の大きく2つに分割。18個の具体的な項目を紹介します。

行動を促進するツボ

①急かされること:気持ちがあおられ、冷静さを失う。

②対決させること:敵か味方かの関係を作ると、人はどちらかを応援してしまう。

③食べ物にすること:人は食べ物に幸福を感じるので、関心を惹きつけやすい。

④限定されること:タイムサービス、数量限定などは、その機会を失いたくないと思わせる。

⑤対比があること:新旧・南北・左派右派など、対比させると理解が進み、反応したくなる。

⑥帰属意識を刺激されること:人は何かに属していないと不安になるため。

⑦挑発すること:挑発により自尊心が傷つけられると、冷静さを失い、挑発に乗ってしまう。

⑧選択させること:選択を迫られると、どちらかを選びたくなり、選んだほうをひいきしてしまう。

⑨サイズを変えること:普段は目に留まらないが、たまに大きさを変えると注目する。

行動の抑制を取り除くツボ

⑩お膳立てされること:自分の分を誰か引き受けてくれるなら、ラクだからやっていいと思う。

⑪お墨付きがあること:人は社会的証明や、権威を信用しがち。

⑫現場が来てくれること:自分から行くのは面倒だが、相手がこちらに来てくれるならラクだから、やっていいと思う。

⑬口実があること:「一回だけ」「みんながそうだから」などの言い訳。

⑭ファッションの流行に乗っていること:たとえ機能が同じでも、外見が刷新されればほしくなる。

⑮体が動くこと:小さな行動をすると、気持ちが昂り、より大きな行動をする。

⑯名前を付けること:名前が付くと、自分はみんなに知られていると思える。

⑰本音を伝えること:本気のメッセージ、人の心を揺さぶる。

⑱子供の心を誘発すること:子供は我慢を知らないため、童心に帰す仕掛けをする。

マーケティングを生業にしている人たちはこれらのツボを狙い撃ちして、広告やデザイン、プロモーションイベントを行います。そうやって自尊心や羞恥心、喜びや焦りなど様々な感情を喚起するのです。

感情と行動の密接な結びつき

shutterstock_222830119_Fotor

では、なぜこのツボを押されると、人は動くのでしょうか。それは感情と行動が密接に結びついているからです。人は強い感情がわいてくることによって、行動します。その感情が強いほど、それは行動となって表れます。

マーケッターはある物事に対して「これはこうだから、こうだな」と思考させるのはもちろん、ありとあらゆる側面から私たちの感情を刺激しようとするのです。そういった施策が行動を促進したり、行動を抑制しているものを取り除いたりする「ツボ」を刺激したとき行動に結び付くのです。

身近な人のツボを押しまくれ

これは何も、マーケティング担当者の商品の販促にのみ当てはまることではありません。広告→「行動デザインのツボ」刺激→感情の喚起→行動の喚起のロジックでいえば、対人関係でも応用できます。

自分が思う行動を相手にしてほしいとき、刺激するべきツボを押さえていれば効果的に相手に行動を促すことができるでしょう。マーケティング関係者だけでなく、あらゆる分野で働く人が活かせるものではないでしょうか。