企画書の生死を分ける「核心の1行」を極めるために必要なこと

新しいプロジェクを立ち上げるために必ず乗り越えなければならないのが、企画書を提出しOKをもらうことです。どんなに心の中で「俺はこれがやりたい!」と思っても、それが相手に伝わらずゴーサインをもらえないのであればその企画は全く意味を持ちません。シュレッターにかけて終わりです。

自分の企画が細長い紙切れになって処分されていくところを見るのはつらい。そう考えるあなたには、通る企画に共通する”あるもの”を意識するといいかもしれません。今回は、あなたの企画が見違える秘訣を紹介します。

核心の1行が勝敗を分ける!

核心の1行

ズバリ結論を言うと、企画書は「核心の1行を含んでいるか」で決まります。実際、通る企画書には共通して「核心の1行」が含まれています。では「核心の1行」とはいったい何なのでしょうか。それは、見聞きした者の脳裏に企画の意図を想像させる1行です。

一般的に、企画書はいわば「プロジェクトの設計図」として用いられているのではないでしょうか。その企画どうやって将来的に利益をもたらすのかを、事細かに資料にするわけです。

確かに、企画書の設計図としての側面は重要です。競合分析、見込まれる利益、リスク、必要な予算、それらの妥当性…。OKを言わせるにはそれらをデータから緻密に分析し、利益を出すことを証明しなければならない場合が多いです。

しかし、それは相手に企画の意図を伝える本質的な部分ではありません。企画を通すうえで重要なのは、相手に企画の根幹部分を鮮明にイメージさせること。相手に「この企画は一体何なのか」を素早く認識させなければなりません。

核心の1行を極めるために必要なこと

難しい本を、わかりやすく解説

「核心の1行」で相手が企画に対しOKを出す可能性が高いということに触れました。では「核心の1行」とはどうすれば書くことのできるようになるのでしょうか。

「1行だけだから、すぐに習得できるコツがあるのだろう。簡単だ!」という声が聞こえてきそうです。しかし、実はそんなに簡単なことではありません。具体的な例を見てみます。

放送作家の小山薫堂氏は「お厚いのはお好き?」という、世界で最も分厚くて難しい本を解説する番組を企画しました。

企画書の核心の1行が「君はキルケゴールも読んだことがないのか?」。あたかもキルケゴールを読んでいて当たり前の本という認識を持たせ、読んでいないことに焦りを感じさせます。一方で、問いかけることのよって「今すぐ読んでみたい、読まなくては」と感情があおられます。

「世界の分厚くて難しい本を、わかりやすく解説」というトップメッセージより、企画の意図や提案者の企画書に対する思いがひしひしと伝わってくる核心の1行です。

では効果的な「核心の1行」に落とし込むためにはどうすればいいのでしょうか。以下の3点を意識すると効果的です。

①要約しない

相手に瞬間で企画意図を理解させる1行とはいっても、それは企画書の要約ではありません。ただ内容の要約だと、なんだかよくわからない、ありきたりな1行になってしまい、肝となる企画の根幹部分が伝わらない場合が多いです。

②コンセプトを明確にする

自分の中で明確に「何を伝えたいか」をわかっていなくてはなりません。でないと、相手の心を刺すぶれない軸は得られません。

③表現力のある1行にする

核心の1行で相手の関心を惹きつけなくてはなりません。相手が、「これは!」と思うような文章だと強力なメッセージになります。文章の表現力を高めるためには、「鮮烈な文章を集めて研究する」「頭の中に浮かんだ風景を文章に落とし込む」などの訓練が効果的です。

大切なのは、企画に対する思いの強さ

企画に対する強い思い

職種は部署によっては、自分が望もうが望まないが企画書を出さなければなりません。どうしてもやりたい企画を考えている人なんて、むしろ少数派かもしれません。

ただ、それでは核心の1行にたどり着くのは難しくなってしまいます。なぜなら「俺がやるんだっ!」というアツい思いがないと感性が鈍るからです。常に取り組んでいることに対して関心を持っていないと、それについて考えることはありません。目で見て実際に体験して感じたことこそ、明確に相手の脳裏にコンセプトを映し出すことができるのです。

常に自分に関心のあることにアンテナを張り、面白いアイデアを追及する姿勢を見失わないよう心がけましょう。