【五島夕夏 連載】懐かしの駄菓子屋さんへGO!駄菓子から学ぶデザイン学

こんにちは!イラストレーターの五島夕夏です。東京生まれ東京育ちの23歳で、趣味は旅行と美味しいものを食べること。好きなものは絵本と猫と炭水化物です!この連載は、1日あれば気軽にお出かけできるオススメスポットを巡りながら、ちょっとためになる「へえ〜!」な情報をお届けします。

駄菓子屋イラスト

近頃だんだんと日がのびて、春の気配が近づいてきましたね。別れと出会いの季節だな〜。しんみり。

とはいえまだまだ肌寒い本日、東京は大井町駅にやってきました。なんでも、ここ大井町に“大人も楽しめる駄菓子屋さん”があるらしいのです!

駄菓子屋さん……なんとときめく響きなんでしょう。かつて、ありったけの小銭を握りしめて訪れたあの天国のような空間。大人になってある程度の自由を手に入れた今、再び足を踏み入れてやろうではありませんか!

うおー!まってろ駄菓子〜!

扉のむこうは異世界だった

駄菓子屋いぬづか

どどーんと突然現れたこちら、「GIFT SHOP いぬづか」さんです。駅前の商店街を少しそれた静かな住宅地で、圧倒的な存在感を放っていました。

なんかでっかいクマいるし!すごい、すごいよー!

駄菓子屋いぬづか店内

中に入ると、そこは異世界。駄菓子やおもちゃたちがところせましと並べられています。

かなり床に近い、低い位置にもたくさんの商品が置かれているのは、子供達の目線を考えてのことでしょうか。かと思えば高いところにカラフルなおもちゃが飾られていたりと、忘れかけていた童心をついついくすぐられてしまいます。

駄菓子1 駄菓子2 駄菓子3

……いやあ〜、感動しました。

子供のころ大好きだった小さなアイスクリーム、私が生まれるずっと前から変わらないデザインのチョコレート、どのお菓子もキラキラと輝いています。東京のど真ん中で、ここだけピタッと時間が止まっているみたい。全て手書きの値札が、またなんとも愛くるしい。

こんなテンション上がる状況、ついついお買い物しちゃうよね〜!昔と同じように、300円くらいの予算で駄菓子を選んでみようかな。

おとなもこどもも変わらない

五島夕夏

最初はてきとうに食べたいものを買おうとしていたんですけど、駄菓子選びってなかなか奥が深いと気づきました。まず予算が300円だとしたら、ひとつ100円のお菓子なんて超高級品なんですよ。でも100円もするお菓子は容量も多く、友達に分けたりできる。

ここでケチったりしなければ、人気者になれるかもしれない。だからメインディッシュ的な100円お菓子は絶対に必要なわけです。

そうなると、残る200円は慎重に使わなければいけません。当たり付きの10円ゼリーをいくつか買って、当たることを祈ってみたり。食べ終わっても遊べる、面白い形の容器に入ったラムネを選んでみたり……。

そう、駄菓子屋さんの中では小さな社会が広がっているんですよ。限られた時間と資本の上で、どう振る舞うかどうやり繰りするか。子供だった私も小さい頭をフル回転させて、必死に考えていたのです。

うお〜、気づかぬうちにこんなに貴重な体験をしていたのか。大人になって使えるお金は増えたけれど、考え方や組み立て方は子供のころからさほど変わっていないのかもしれませんね。

駄菓子屋こどもぎんこう

そんな駄菓子屋さんのひとつであるいぬづかさんには、面白いシステムがあります。その名も“こどもぎんこう”

仕組みは簡単。ここからお金を借りた人は、絶対に返しにくること。例えば「10円のお菓子は消費税込みで11円」ということを知らずに、10円しか持っていなかった子がいた場合などに、この貯金箱からお金を借りることができるのです。

欲しいものは、きちんと自分のお金で買うこと。借りたものは、きちんと返すこと。当たり前のことだけれど、いつの間にか覚えた大切なこと。

“こどもぎんこう“は、子供が大人に近づく第一歩を、大人が手助けする温かいシステムなんですね。

五島夕夏 五島夕夏

調子にのってワタアメも作っちゃいました。ワタアメを作る、なんて小学生のころは憧れそのものでしたよ。

うん。やってみるとめっちゃ楽しい、予想以上に楽しい。魔法みたいにふわふわ膨らむその姿は、大人が見ても興奮すること間違いなしです。

たくさん駄菓子も買ったし、満足感でいっぱいだあ〜。せっかくなので(?)どんなチョイスで駄菓子を選んだか、私的目線でグループ分けをして紹介いたします。

楽しみたくさん、食べ過ぎ注意!

駄菓子6

まず1つ目は、食べて遊べるグループ。

基本的に食べ物って、遊ぶとは遠いところに位置していると思うんですよ。「食べ物で遊んじゃいけません!」って定番の怒り文句があるくらいですし。でも駄菓子に限ってはそんなの関係ありません。

バット型のチョコのお菓子で素振りをしちゃったり、口の中ではじける飴を舐めて大笑いしたり……。駄菓子は子供の中にある小さな欲望を満たしてくれるのです。

五島夕夏

特にパチパチと破裂するキャンディは、大人になった今食べてもなぜかクセになる中毒性がありました。なんでか、また食べたくなっちゃうんだよな〜。

うーん、刺激的!

駄菓子5

2つ目は、大人への憧れグループ。

子供って、ダメ!って言われるとやりたくなっちゃう生き物。パパのポケットに入ったタバコがやたらかっこよく見えたり、タンスの上の薬箱の中身が気になったりした記憶、みなさんにもありませんか?そんな大人に対する漠然とした憧れも、駄菓子は形にしてくれます。

駄菓子4

3つ目は、とにかく可愛いグループ。

もうここまでくると理屈じゃありません。ああ、可愛い!ああ、胸が高鳴る!そんな気持ちで手に取る駄菓子は、時にダイヤモンドより価値があるように見えるのです。男女問わず、見た瞬間に感じるドキドキは、大人になっても忘れたくないものですね。

五島夕夏

子供のための場所だと思っていた駄菓子屋さん。映画館やレストランで過ごす大人な休日も素敵ですが、たまには童心に返ってはしゃいでみると、案外気持ちがスッキリするかもしれませんよ。

そして、もし自分に子供が生まれたら、積極的に駄菓子屋さんで社会勉強をさせたいと思います。甘いものの食べすぎは、大人も子供も要注意!ですけどね。

(おわり)

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