マンガの描き方をネット動画で学ぶ! 元マンガ家志望が生み出した日本発のビジネスモデル。パルミー代表・伊藤貴広インタビュー

株式会社パルミー
代表取締役社長・伊藤貴広
(いとう・たかひろ)
1988年福岡県生まれ。武蔵野美術大学造形学部卒。2011年に株式会社DeNAに新卒入社し、『mobage』のアバターサービスのチームリーダー、新規アプリのプロデューザーを経験。2014年に退職し、同年10月に株式会社SUPERFLAT(現・株式会社パルミー)を創業。イラストやマンガの描き方が動画で学べるWebサービス『パルミー』は、2014年に東京都の支援事業に採択され、2015年には朝日新聞社の支援事業に採択された。

マンガの描き方をネット動画で学ぶ! 元マンガ家志望が生み出した日本発のビジネスモデル。パルミー代表・伊藤貴広インタビュー

 子どもの頃に「マンガ家になりたい」と夢見た人は少なくないはず。だけど、いざ描こうとすると、絵やストーリー作りの才能以前に、そもそも「どうやって描いていいのかわからない」というのが実際のところ。好きなマンガを模写するなどして自分なりに試行錯誤するしかないわけだけど、とにかく根気のいることだから、独学を継続してプロのマンガ家になれる人はほんの一握りだ。ましてデビューしたマンガ家ですら、新人のうちはベテラン作家のアシスタントにつき、プロの描き方を学んでいるくらいなのだから。

 これが画家志望なら、美大や画塾で専門的に学ぶことができるわけだが、マンガに関しては、ようやく一部の美大や専門学校がマンガ学科を設けるようになったくらいだ。しかし、今の時代、画家志望の人よりもマンガ家やイラストレーターを志望する人のほうが多いのではないかと思う。学びたい人の需要に対して圧倒的に足りていないというのが現状だろう。そこでオススメしたいのが、『パルミー』というWebサイトである。

 マンガやイラストの描き方を動画で教えるというサービスだが、言葉で教えるより、実際に描いている様子を見て覚えたほうが、早くて確実なのは明らか。デッサンをはじめ、瞳や髪の描き方といった細部から、背景やネームの描き方といった実践的な講座を取りそろえ、現在700万回以上の視聴回数になっている。このサービスを立ち上げたのが、現在29歳でまだ20代という伊藤貴広氏だ。どういったユーザーが利用しているのだろう?

「無料の講座動画と有料の講座動画があるのですが、無料のほうは10~20代の方が多く、有料のほうは30代の方が多いようです。自宅でいつでも学べるというサービスを提供しているわけですが、地方に住んでいると学校が遠くてなかなか通えないですし、私立の美大に行くと4年で1千万円くらいかかるので、学費をねん出するのがむずかしい。そうした理由から10代20代の方は利用されているようです。30代の方の場合、環境的にも経済的にもそれが可能だったとしても、学校に通うとなるとかなりの時間を割かなくてはいけないので、それもまたむずかしい。仕事をしながら学べるということで利用されているようです。有料動画で学ばれている社会人の方に関しては、絵を仕事にしているわけではなく、もともと絵を描くことが好きだった方が、経済的に余裕ができたことで一から学びに来てくれている方もいるようですね」

■「目の描き方講座」

 こうした需要が伸びた背景には、ネット上に発表の場が増えたこともありそうだ。

「時代に関わらず、絵を描くことが好きな人は昔から大勢いるわけですけど、成長の過程で人と比べて自信を失ったりして、だんだん描かなくなるものだと思うんです。だけど近年は、お絵描きアプリが人気だったり、pixivやLINEスタンプといった発表の場が増えたこともあって、絵を描くことが身近になってきました。そうした背景もあって、裾野が広がっているように感じますね」

 趣味として描くだけでなく、プロを目指す人も増えているのではないかと思う。かつてマンガ家やイラストレーターは限られた一部の人の世界だったが、今ではスマホゲームでイラストの需要も増えているし、マンガのWebマガジンやマンガアプリの登場により、マンガ連載の場が格段に増えた。

「マンガもかつては出版社に持ち込むか、自費出版するしかなかったわけですけど、たとえば『マンガボックス』では、自分でアップロードすればインディーズ作家として連載できてしまうんですよね。ラフにクリエイターになれる時代になったことは喜ばしいことだと思っています。内向的で出版社に持ち込みに行けなかった人でも、マイペースで作品をアップロードして読者から評価されるなど、隠れた才能が出てきています。仕組みが整ってきたからこそ、そうしたケースがしばしば見られるわけですが、パルミーもクリエイターを支援していきたいですよね」

『パルミー』には無料の講座動画だけでも250本ほどもある。これらを見るだけでもかなり上達できそうだが、有料の講座動画とはどういった違いがあるのだろう?
「有料の動画は4回の授業をひとつのパッケージにしていて、それが40パッケージくらいあります。有料動画は生放送の授業もあるので、その場で質疑応答できたり、講師に添削してもらえるので、無料動画とはかなり質が異なります。時間も無料動画は6分ほどですが、有料動画は90分ほどで、実際に専門学校で教えている先生や著名なクリエイターをお呼びして授業を行っているんですよね。専門学校や美大と遜色ない授業が受けられると思います」

 場所にとらわれず描き方を学べることが『パルミー』の利点のひとつだが、ユーザーの10~20%を海外のユーザーが占めているという。今のところアジア圏が中心で、特に多いのが台湾ユーザーだという。

sub_01「アニメ絵というジャンルは日本独自のものなので、学校で学ぶとすると来日する必要があって外国の方には相当ハードルが高いですよね。特に台湾の方は日本に親近感を持っていて、日本語の勉強もかねて描き方を学んでいる人が多いようです。今のところ無料動画の利用が多いのですが、アジアも所得が上がって学びにお金を使える人が増えているので、今後は海外向けのサービスも整備していきたいと考えています」

 パルミーは2014年に東京都の支援事業に採択され、2015年には朝日新聞社の支援事業に採択されている。日本発のビジネスとして海外展開できるポテンシャルの高さが期待されているのだろう。

「日本の得意分野で海外展開できるビジネスモデルってそんなに多くはないのではないかと思っています。たとえば採用市場でもさまざまな新サービスが生まれていますが、どうしても国内市場に留まりやすい。あるいは、IoTやビッグデータといったシリコンバレー発のトレントは、やはりアメリカのほうが資金も人材も強いので、海外で戦うには厳しいですよね。『パルミー』の場合は、アニメ絵という日本の得意分野でありながら海外でも需要が高いので、僕らが日本にいることがアドバンテージになるんですよね」

マンガ家を目指していた頃、「描き方が学びづらい」と困っていたことが、『パルミー』のアイデアにつながっていった

 実は伊藤氏はもともとマンガ家志望だったという。小学4年生のときから大学生になるまでの10年間、マンガを描き続けてきたが、「描き方が学びづらい」とずっと感じていたことが、『パルミー』のアイデアに結びついた。しかし、マンガ家を目指していたのが、なぜ起業家へと切り替わったのだろう?

sub_02「友だちから『ワンピース』を借りて読んだのが、マンガ家を目指すきっかけでしたね。もともと想像することが好きだったんですが、自分がいろいろ想像していることを表現できる方法があるんだ!って。最初は『ワンピース』の絵を模写しながらマンガを描くようになって、それから学級図書のコーナーに自分が描いたマンガを置いたり、コピーを配ったりするようになって、クラスメイトに向けて週7ページの連載をしていたわけです(笑)。ただ描く楽しさだけでなく、読んだ人の反応が返ってくることが楽しくて描き続けていましたね」

 しかし、見よう見まねで描くにも限界がある。どうやってマンガを描く技術を高めるか。少年時代の伊藤氏にとって大きな問題だった。

「僕は山と川しかないような福岡の田舎育ちなんですけど、マンガの描き方入門といった本を求めるにしても書店のラインナップは少ないし、Amazonで購入しようとしても当時は1週間くらいかかったので、描き方に悩んだときにすぐに学ぶことができなかったんですよね。本で学ぶだけではやっぱり限界があって、もっと筆の動きを見たいと思いました。ほかにも一人きりで描いているとモチベーションが保てないので、同じマンガ家を目指す仲間と話したいと思ったり、いろいろと困っていたわけです。そうした自分自身が困っていたことを解決しようと始めたのが『パルミー』なんです」

 数学が得意だった伊藤氏は、理系の高校に進学。高校に入ってもマンガはずっと描き続けていた。それもあって進路を決める際に理工系の大学に進むイメージが持てなかった。あくまでマンガ家になることが一番の目標であり、出版社に近づきたい一心で、東京の美大を目指すようになる。そこで受験準備も兼ねて地元の画塾に通うことに。そして伊藤氏は武蔵野美術大学に合格。夢を叶えるための上京のはずだったが……。

「僕はジャンプっ子だったので、ジャンプで連載したいという思いが強くて、上京後いきなり最難関のジャンプ編集部に持ち込むようになったんです。だけど、持込みに来る人はジャンプ読者だったりもするので、大人の対応をされて帰されるという感じでした。たしかに自分の絵は連載作家さんに比べて明らかに下手だし、ストーリー的にも面白くないということは自分が一番よくわかっている。美大には自分より絵が上手い人がいくらでもいますし、どんどん自信を失っていったんですよね。マンガ家としてデビューできるまでにはどれくらいかかるだろう?と考えたとき、大学卒業後、何年も貧乏生活を送りながらマンガを描き続けることができるだろうか?……と行き詰まってしまったんです。現実が見えてしまったような感じでしたね」

 いきなりマンガ家という目標を見失い、伊藤氏は大学1年でマンガを描くのを辞めてしまい、美大に通う意味も見出せなくなってしまった。

「マンガってすぐに評価されるものではないし、地味な作業が多いので、せっかくの大学生活なのに、暗い暗い……と思って嫌気がさしてしまったんです。普通にみんなとお花見をしたり、イベントに参加したりしたいと思うようになって、学外のイベントサークルや起業サークルに入ってみたんですね。いろんな大学から学生が集まっていたのが刺激的で、もしかしたら、自分はこっちのほうが向いてるかもしれないと(笑)。そこで学生起業家と話をしたりするようになって、会社って自分で創れるものなんだ!ということを初めて実感しました。そのときは漠然と興味を持ったくらいだったんですが、次第にマンガからビジネスに関心が移っていったんです」

 とはいえ「何かしら絵に関わる仕事がしたい」と考え、マンガを電子書籍化して海外に発信するベンチャー企業で、伊藤氏はWebデザイナーのアルバイトをしていたという。ビジネスを通してクリエイターと関わっていこうと考えていたのだ。いつしか起業家という新たな目標ができていた。

sub_03「就活では、ひとまずビジネスを学ばせてもらおうと考えて、美大卒でありながら総合職の採用試験を受けていました。面接では、『起業したいと思っているので、3年ほど学ばせてください』と平気で言っていましたね(笑)。当然そんな都合のいい話はなかなか受け入れてもらえないわけですが、DeNAの面接を受けたとき、わりと好意的に受け入れてもらえたんです。DeNAはベンチャーから上場した会社なので、上場前からいる先輩社員には、とにかくいろんなことをやってみようという気風があって、面白そうな会社だと思いましたね」

 こうして伊藤氏はDeNAに入社。『mobage』の着せ替えアバター事業部に配属され、プランナー職に就く。入社1年目で企画からデータ分析、営業までひと通り経験できたそうだ。さらにアバターチームのリーダーが異動したこともあって、入社2年目にしてチームリーダーに抜擢される。

「自分が起業したときにチームリーダーの経験も必要だと考えてやっていました。30人ほどのチームだったのですが、人間関係の溝を埋めていくことも大事ですし、自分でPLを見るようになって、
外注費やコスト削減、売上の上げ方がなんとなくわかるようになってきて、いい経験になったと思います」

 さらに自分が起業する際に「ゼロイチ」の経験が必要だと考え、伊藤氏は自ら希望を出して新規事業部に異動する。

「女性向けのカメラアプリや自転車のアプリを作ってみたのですが、思っていた以上に難しかったですね。アバター事業部は売上が出る仕組みができていて、しかもその数字が億単位なんですよね。それが当たり前だと思っていて、自分にはそれくらい売上が出せる能力があると勘違いしていたんです。だけど実際に自分でゼロイチをやってみると、なかなか企画が立ち上がらないし、リリースしてもまったく人が来ない。アバターのときの数百分の1くらいの数字にしかならない(苦笑)。多くの人に認知されているということが、こんなにも価値があることなのかと初めて実感しましたね。結局、どのアプリも泣かず飛ばずで、本当に申し訳なかったんですけど、それもいい経験になったと思います」

クリエイターになれなかったコンプレックスがあったけど、自分で新しい事業を創ることも「クリエイター」だと思えるようになった

 こうして話をしていると、伊藤氏は物腰やわらかなクリエイター気質の人という印象だ。しかし、DeNAの面接時に「3年」と自分で期限を設定して、その期間にチームリーダーやゼロイチの経験を積もうとするなど、目標に向かって躊躇なく行動するあたりは、やはり起業家の資質を持った人なのだと思う。そして伊藤氏は本当に3年でDeNAを退社してしまう。この頃すでに『パルミー』のビジネスモデルはほぼ固まっていたという。

sub_04「マンガ家を目指していた頃に、絵を学ぶのに自分自身が困っていたので、その課題が解決できるようなサービスが作れたら、自分としても納得がいくし、きっと人の役に立てるだろうと思いました。たぶん何もわからない領域だったら確信は持てなかったと思うんですけど、自分と同じように困っている人が少なくとも何万人かはいるはずだと。動画の配信コストもかなり下がっていたので、なかば『えいや!』という感じで起業したんです」

 起業のファーストステップはどう動いただろうか。まず伊藤氏は古巣のDeNAに投資を頼みに行き、幸いにも了承が得られ、シード資金を確保。さらに東京都主催の「TOKYO STARTUP GATEWAY 2014」というビジネスコンテストに出場し、東京都の支援事業に採択される。こうして資金調達に成功し、2015年にiPhoneアプリ版『パルミー』をリリース。反響のほうはどうだっただろう?

「起業すると後には引けないので、気持ちの入り方が違いますよね。自分からどんどんメディアにプロモーションをかけて、『Gigazine』(※老舗ニュースサイト)で紹介されたこともあって、最初は一時的にダウンロード数が急増したんです。だけど、結局まったく使ってもらえなくて、iPhoneアプリ版は完全に失敗でしたね(苦笑)。よくよく考えてみると、絵の描き方がわからない……となったとき、App Storeで検索しませんよね。まずGoogleで検索して、そこでヒットしたWebサイトを見るはずです。『パルミー』が利用されるときのイメージがまったくできていなくて、ユーザーの動線上にないものを一生懸命作っていたわけです」

 その後、『パルミー』をWebサイトに移行し、ソーシャルメディアを使って草の根的にプロモーションしていったところ、徐々に認知度も上がり、実際に使ってもらえるようになったという。その次に課題となるのが、どうマネタイズするか、である。

「まず無料動画で人を集めて、そこから有料動画を購入してもらうというビジネスモデルは起業時から考えていました。広告モデルも考えましたが、広告価値の高い女性に人気のファッションアプリですら、売上はそれほどでもないんです。僕らのサービスは男性ユーザーが半分くらいいるわけですから、女性ファッションアプリほど広告は取れない。広告モデルにすると天井は見えていると思いました。自分なりにいろいろ検討した結果、有料動画のビジネスモデルを取ったわけですが、それも安価の動画ではなく、1万5千円から3万5千円という高単価の有料動画を販売していこうと考えたんです。お金をいただくということは、対価に見合ったものをしっかり作ります、というメッセージだと思っています。教育の分野では特に大事なことだと思います」

 たしかに無料のものが溢れるネットの世界で、1万5千円は高い気がしてしまう。しかし、私立の美大に通うと1千万円くらい学費がかかり、専門学校でも300万円近くかかることを考えると、破格の安さである。比較対象をどこに置くかで値段の感覚はまったく変わってくるだろう。

sub_05「有料動画のニーズがあるはずだという仮説を立てて、今もそれを試し続けているわけですが、一番最初の有料動画がバカ当たりしたんですよね。全部これくらいの売上になると想定して事業計画をすると、すぐにでも上場できそうなほどだったんです。だけど、さすがにそうはならないのが現実です。最初の講師が有名なアニメーターの方だったんですけど、受講募集のときにたまたまNHKに出演して特集が組まれていたんです。テレビCMを打ったくらいの旬な状況だったわけですが、それは特異なケースであって、分析対象にはなりませんよね(笑)」

 とはいえ、高単価の動画商品が販売できるという一番重要な部分は検証できた。その実績を持って2回目の資金調達に成功し、有料動画の量産に踏み切ることができたという。

「そうしたラッキーパンチではなく、コンスタントに売上を作るにはどうすればいいかを、ここ1年くらい検証しながらやっているところです。今でこそ最初の授業より何倍もいい授業ができるようになったと思うのですが、知識を届けるだけではなく、今後はいかにモチベーションを継続してもらうか、という部分を強化したいと思っています。専門学校や美大を卒業すると、履歴書に書けますよね。雇用につながっていることがモチベーションになっていると思うのですが、たとえ専門学校と同じレベルの授業を『パルミー』で学べたとしても、学校を卒業したという社会的な信用が得られないことは、本当に申し訳ないと思っています。通信制で単位が取れる大学があるように、今後は『パルミー』で学んだという実績が見えるようにしていきたいと考えています」

 もともとマンガ家を目指していたからこそ、伊藤氏はクリエイター志望の人が求めているものがわかるのだと思う。それがこのビジネスモデルの根幹を成しているわけだけど、目指す側から支援する側に回ったことについて、どんな感想を抱いているだろう。

「ずっとマンガ家になれなかったコンプレックスがあったんですが、最近思うのは、クリエイターのかたちにもいろいろあるんじゃないかと。自分がこうやって会社を立ち上げて事業をやっていることも、クリエイターなんじゃないかと思えるようになってきたんですよね。絵は描いてないですけど、ビジネスを創ることもひとつのクリエーションだと言いたい(笑)。絵を描いている人を支援するだけでなく、自分もひとりのクリエイターでありたいと思っています」

伊藤貴広氏を知る3つのポイント

座右のマンガ/『鉄腕アトム』

「『鉄腕アトム』はすごく学ぶことが多くて、一番好きなマンガです。アトムというと、ちっちゃいけど強いロボットヒーローを思い浮かべますけど、原作を読むと、自分がロボットであることと、人間的な心の狭間で常に悩んでるんですよね。アトムの姿を見ていると、自分もがんばろうと励みになるんです。子ども向けではなくて、むしろ大人が読むべきマンガだと思いますね」

スタートアップは「それ相応の時間がかかる」

「最近、『成功するスタートアップは一夜にして成功する。ただし、』というネット記事を読んだんですけど、その『一夜』というのは、1000 日目から 3500 日までの間のどこかで起こる、というデータがあるらしいんです。よほど筋が良ければ、一気に大化けするビジネスモデルもあるかもしれません。そうしたものが目立つので、すぐに成功できるように思ってしまいがちですけど、きっと9割以上のWebサービスは地道に伸びていったものだと思うんです。パルミーを始めて3年目になりますが、ようやくTwitterでツイートされるようになってきて、ある程度、認知されるようになるまでには、やはりこれくらいの時間がかかるものだという実感がありますね」

起業で大事なことは、「やりたいことをひとつに絞る」

「僕の場合、『えいや!』で起業してしまいましたけど、実をいうと、起業はできるだけしないほうがいいと思ってます(笑)。それでも起業したいという人は、やらないことをしっかり決めたほうがいい。先輩起業家に相談に行くと、『やることを絞ったほうがいい』とよくアドバイスされるんですけど、起業を思い描いているときって、アレもコレもやりたいと夢が膨らむものなんですよね。僕の場合、たとえば広告モデルや月額課金を導入したり、ペンタブレットの開発やリアル教室もやりたいというふうに、いろんなアイデアが浮かんだんですけど、実際は人材のリソースが限られているわけですから、ひとつに絞ってそこに全力を注ぐことが大事になってきます。パルミーの場合、高単価の動画を売ることに集中することが最短の近道だと思っています。絞って絞って、やりたいことを10分の1くらいにしたほうがいいと思いますね」

取材・文●大寺 明  写真●高村征也

『パルミー』がエンジニアを募集

経済的な理由や住んでいる場所の制約など、
さまざまな理由で「絵を学びたいけど学べない」という課題を解決し、
「次世代の手塚治虫を育てる」というビジョンの実現に向け、
現在のPalmieをより進化させるためのエンジニアを募集しています。

Palmieのサービス品質全般に責任を持ち、
チームと協力して世界最高のクリエイター育成サービスの
創出にチャレンジしていただける方を募集しています。

現在、スタッフにはパルミーのユーザーだった方や、
コミティアに出展してマンガを描き続けてきた方など、
クリエイティブなことが大好きなスタッフが集まっています。
創業3年目のスタートアップだからこそ、組織のルールもカルチャーも
これから創っていけるという環境です。

ご興味のある方は、採用情報をご覧ください。