近い将来、現金がなくなる!?お金のやりとりを“かんたん”にするコイニー代表・佐俣奈緒子インタビュー

コイニー株式会社 代表取締役社長・佐俣奈緒子
コイニー株式会社 代表取締役社長・佐俣奈緒子 1983年広島県生まれ。京都大学経済学部卒。高校時代に1年半のアメリカ留学を経験し、大学在学中はGMOベンチャーパートナーズにてインターンを経験。2009年より米ペイパルの日本法人立ち上げに参画。加盟店向けのマーケティング担当として日本のオンラインサービス/ECショップへのPayPal導入を促進。2011年にペイパルジャパンを退職し、2012年3月コイニー株式会社を創業した。

手軽でしかも経済的。カード決済のすべてを“かんたん”にするスマホ決済サービス「Coiney」の挑戦

 クレジットカード決済がより身近になりつつあることをご存知だろうか? ネットで買物をするとほぼ100%オンライン決済ができる時代となったが、リアルでの利用となるとまだまだカード決済に対応していない店舗も多い。なぜなら従来のカードリーダー設置費用は平均で10万円。そのうえ5%以上の手数料が引かれるなど、事業者側の負担が大きかったからだ。個人経営の飲食店や美容室が導入を踏みとどまるのも仕方がない。

 これに対し、2013年4月からサービスを開始したスマートフォン決済サービス「Coiney」は、徹底してユーザー(事業者)サイドに立ったサービスを展開し、好評を博している。スマホやタブレット端末のイヤホンジャックに「Coineyリーダー」という機器を取り付けるだけで簡単にカード決済ができるサービスなのだが、最初の1台は無償提供されるので初期費用もかからない。

 また、従来のカードリーダーはレジの横に設置するタイプのわりと大きな機器だったが、Coineyリーダーは手のひらに収まるサイズでどこにでも持ち運べるため、イベント販売や出張サービスのような店舗以外の場所でもカード決済ができてしまうという優れものだ。これが普及すれば、カードが使えないという状況がほぼなくなってしまうかもしれない。

 そして特筆すべきは、シンプルでとにかくわかりやすいホームページだ。会社概要に「すべては『かんたん』のために。」というミッションが掲げられているのだが、サービスを普及させるにおいて、創業者の佐俣奈緒子氏がもっとも念頭に置いたことだという。

coiney_sub02「多くの方はカード決済にそれほどこだわっていないものだと思うんです。お店を開こうとなったとき、まず何の事業をやるかを決めて、次にどこに出店するか、どんな商品を仕入れるか、店舗デザインはどうするか、やらなくてはいけないことが山ほどありますよね。それが全部済んでから、ようやくカード決済の設備がないことに気づいて、カード会社に言われるまま導入を検討するものだと思うんです。でも、これまでのカード決済の導入は複雑で難しかった。だからこそ当社のサービスは複雑であってはいけないと考えているんです。手数料率の一律化やWeb申込みなど、とにかく簡単にしていくことを心がけましたね」

 これまではカード会社が社歴や事業内容などを審査して、事業者ごとに5%や7%といった違う手数料を設定していた。これに対し、コイニーは全業種一律3.24%としている。そして、WEB申込みにすることで最短2営業日後にはサービスを開始できるスピードを実現。これまでカード決済を導入するとなると、申込みをしてから端末が設置されるまで2カ月くらいかかっていたことを考えると、劇的な早さだ。しかも入金においてもスピーディである。

「日本では月末締めの翌月払いという商習慣がありますよね。そうすると最長で60日間、現金が入ってこないということになり、中小のお客様にとって大きな負担になっています。当社ではそれを5日ごとに区切って月6回入金にしているんです。なるべくお客様のキャッシュフローを早くするような体制にしていて、それに対し料金を上乗せするようなことも一切ありません」

 簡単でスピーディ、しかも経済的。利用者にとってこれほどありがたいことはない。しかし、お金を扱う以上、やはり気になるのがセキュリティー面だ。これについても万全の対策をとっているという。

「Coineyリーダーでカードを読んだときにリーダー内部ですでに暗号化されて端末に送られ、カード会社に転送された後はCoineyリーダーにもスマホにも情報が一切残らないようになっています。転送される際に、カード情報が盗まれないか、という不安があるかと思うんですけど、暗号化の技術については、クレジットカード業界のグローバル基準で最高ランクに認定されている『PCI-DSS』を取得しているので、安心して使っていただける環境にあります」

 現代のテクノロジーを最大限駆使し、Coineyはあらゆる点で普及の要素がそろっている。実際どのような広がりを見せているだろう?

「対応端末がiPhoneからスタートしたこともあって、サービス開始当初は首都圏のカフェや美容院など、流行感度の高い20代後半から30代のオーナーの利用を想定していたんです。しかし、実際に蓋を開けてみると、地方の方の利用が多く、利用者の平均年齢は45歳でした。個人事業主や中小企業経営者の一番多いゾーンだったことが、うれしい誤算でしたね。サービスを開始して3年弱ですが、最初は目新しすぎて営業をしても『よくわからない』『ちょっと不安だ』といった反応だったのが、最近は『見たことがある』という反応に変わってきているので、便利さをよりストレートに伝えやすくなっています。ここへ来てだいぶ市場への浸透が早まっていますね」

 どこでもカードが使えるようになったとき、あまり現金を持ち歩かないという時代がやって来るかもしれない。特に海外旅行の際にカードの便利さを実感したりするものだが、スマホ決済サービスが全世界に普及すれば、私たちはもっと気楽に旅行を楽しめるようになるだろう。これだけでも画期的なことだが、佐俣氏はさらにその先にある“キャッシュレス社会”の実現を目指しているという。

「私が高校生の頃はトラベラーズチェックが全盛でしたけど、2014年に日本での販売が終了しましたよね。みんながカードを使うようになって旅先での換金というものがなくなったわけです。そのカードすらもいずれはなくなると思う。一端スマホの中に入ることになり、その後は生体認証になって財布を持たずに手ぶらで出かける時代になると思います。すでにインドでは瞳孔や静脈による認証が始まっていますし、ヨーロッパでも実用化に向かって進んでいる。意外と近いうちにそんな世界が到来するんじゃないかと思ってます。個人的に私はできるだけ物をなくしていきたいと思っていて、デジタル化できるものは全部デジタル化していきたいですよね」

“思いついたら即実行”の精神でアメリカに留学。視野が広がり、興味がどんどん移り変わっていった

 29歳の若さで起業し、これだけ完成されたビジネスモデルを作りあげた女性社長とは、どういったパーソナリティの持ち主だろう。ハイパーなインテリ女性をイメージしがちだが、実際の佐俣氏はやわらかな自然体の雰囲気。自分のダメな部分もあっけらかんと話しながら、それでいて聡明さが伝わってくる。どのような経験を経て起業家の道を歩むに至ったのだろう。

coiney_sub04「中高一貫の学校に通っていたんですが、みんな穏やかですごくいい環境だったんですけど、生ぬるさみたいなものを感じてましたね(笑)。このまま6年間同じ環境にいることに飽きてしまって、外の世界を見たいと思うようになったんです。その頃、アメリカの高校を舞台にした成田美名子先生の『CIPHER』や『ALEXANDRITE』を読んでいて、アメリカの高校生活が楽しそうに思えたんですよね。近所に住んでいたカナダ人とアメリカ人に英語を教えてもらっていたんですが、たまたま同時期に2家族とも帰国してしまって、じゃあ自分も行こうかな、という感じでアメリカに留学することを決めたんです」

 ところが、成田~シカゴのフライト日時が決まっているにも関わらず、ホストファミリーも高校も決まっていないというアクシデントに見舞われた。

「フライトの2日前にようやくホストファミリーが決まって、ワシントンDC近くのバージニア州に行くことになったんですが、すでに8月中旬で2週間後から学校が始まるというのに高校が決まっていなかったんです。本来は留学団体が探すべきなんですが、自分で学校を探すことにしました。まずホストファミリーの家から一番近い学校に相談しに行って断られ、次にホストファミリーの一家が通っていた高校に相談しに行ったら、校長先生がすんなり許可を出してくれたんです。当時は英語もほとんどしゃべれなくて、いまだにどうやって会話をしたのか記憶にない。なるようになるかな、という感じでしたね(笑)」

 そこはカトリック系の厳格な雰囲気のプライベートスクールだった。日本で自由な校風の学校に通っていたこともあり、国の違いによるカルチャーショックよりも校風のギャップの方が大きかったという。

「それまで縁もなければ興味もなかったのが、いきなり学校で宗教に触れることになって、一時期は宗教に対する拒否反応もあったんですけど、振り返ってみるとすごくいい勉強になったと思いますね。いろんな人がいて、いろんな考え方があるということを学ぶことができて視野が広がったと思う。やっぱり日本の中で日本のことを学ぶとなると、逆に近すぎて限界があると思うんです。やはり外から見て気づかされることは多いですよね」

 当時の佐俣氏は心理学に興味を持ち、将来は精神科医か臨床心理士になりたいと考えていたそうだ。心理学の先進国であるアメリカの大学に進学することを考えていたが、外から日本を見るうちに、日本の大学で心理学を勉強したいという考えに変わっていった。しかし、時期的にセンター試験に間に合わず1年留年することに。この受験期間に佐俣氏の興味はさらに移り変わっていく。

「私は世界史がすごく好きで、塾で授業を受けているときに貨幣価値が一気に変わった世界恐慌に衝撃を受けたんです。心理学的にも集団心理が影響している部分もありそうだと思って、経済の仕組みを知りたいと思うようになったんです。それで、センター試験の1カ月前くらいに志望校と志望学科をいきなり変更して、経済学部を受けることにした(笑)。ところが私は本番に弱いらしく、結果は過去最低点だったんですね。志望校に行くどころではなくて、浪人するかとなったとき、たまたま京都大学経済学部の論文入試を知ったんです。センター試験があまり重視されず、二次試験の論文の比率が非常に高かったので、これならギリギリいけるかもしれない。一か八かで受験してみることにして、試験までの1カ月間は、ひたすら論文の勉強ばかりしてましたね」

 こうして佐俣氏は見事、京都大学経済学部に進学。昔から気になったことは「知りたい」と考える好奇心旺盛なタイプだったそうだが、躊躇なく実行してしまう“決断の早さ”と“行動力”には目を見張るものがある。そうした持ち前の実践力で、大学生の頃にはすでにちょっとしたビジネスを始めていたという。

「大学時代に家庭教師をはじめ塾講師や飲食店などいろんなアルバイトをやったんですけど、時間を切り売りする仕事は儲からないと思ったんです。塾講師ってすごく時給がいいんですけど、1日に受け持てる授業には限界がある。一方、飲食店は長時間働けるけど、時給が安くて稼げない。一番、割のいい仕事は何かと考えたとき、時間で働かないことだと思ったんです。たまたま友だちとアメリカ旅行をしたとき、ブランド品の型落ちが格安で売られていて、ためしに買ってヤフオクで出品してみたら、すごく高値で売れたんですね。これを仕組み化すれば儲かると思って、次に始めたのが大学生協限定の電子辞書の転売です。たまたま購入しようと思って電子辞書を調べていたら、欲しいんだけど大学生協限定で買えない、という書き込みがけっこうあって、それを売り始めたら月に数百万円の売上になったんです。原価がかかっているとはいえ、月に数十万円の収益になってしばらくはアルバイト替わりにしてましたね。“安く仕入れて高く売る”という商売の基本を体験して、それは今も役立っています」

 将来の進路についても、“時間を切り売りしない仕事”という観点から投資銀行やコンサルティング会社を志望するようになった。たまたま友人がGMOベンチャーパートナーズでインターンをしていたことから、佐俣氏もインターンを経験することに。

「Coineyのサービスは“金融×ネット”というものですけど、実はそれまでインターネットというものにまったく興味がなかったんです。利用するサービスというと、物を売るためのヤフオクくらいで、Googleに就職したいという友だちがいても検索サービスの会社くらいの認識で、何がすごいのかもよくわかってない。だけど、実際にベンチャーキャピタルで働いてみると、アメリカの新ビジネスやトップティアの投資状況を調べることになって、情報がいっぱい入ってくる。そこでシリコンバレーですごいリターンを出している会社が沢山あることを知って、興味を持つようになったんです。今につながる、という意味でいうと、やはりこのときの影響は大きいですよね」

上層部を説得するよりも、自分でやった方が早い。だけど、最初は何をどうすればいいのかわからなかった

 インターン先で知り合った人からの紹介で、佐俣氏はオンライン決済の先駆者として知られる米ペイパルに入社。日本法人の立ち上げに参画することになり、当初は体制が整っていなかったことや従業員数が少なかったこともあり、何から何まで自分でやらなければいけないという状況だった。一方、インターン時代にベンチャーを間近に見てきたこともあって、「いずれは起業したい」と考えていたが、当時の佐俣氏には何をすればいいのかがわからなかったという。起業のヒントはどうやって見つかっただろう?

coiney_sub01「ペイパルでカード決済の事業に携わってから、日本の決済は遅れているな、とずっと感じていたんです。たとえば個人がWeb上でお金を受け取ろうとすると、銀行振り込みしかなかったりしますよね。今でこそいろんなサービスが登場していますが、5年ほど前はそうでもなかった。むしろそこにチャンスがあるんじゃないかと思ったんです。オンライン決済に関しては、それこそペイパルがやっていたことなので、そのままサービスを広げていけば日本の決済も変わるかもしれない。だけど、リアルの決済に目を向けてみると、まったく新サービスが出てきていなかったんですね。2010年前後から欧米でスマホ決済という新分野が登場していて、その頃ちょうど日本でもガラケーとスマホの出荷台数が逆転したんです。これは間違いなく日本にも同じ波が来るはずだと思いましたね」

 たとえその読みが正しくても、何の後ろ盾もないベンチャーがカード決済という巨大市場に参入できるとはとても思えない。常識で考えるとペイパルの新規事業としてスタートするのが順当だろう。ところが佐俣氏は、いつもの“思いついたら即実行”の精神で躊躇なく起業してしまうのだ。

「当然ペイパルでやるという方法もあったわけですけど、当時のペイパルは日本に参入したばかりでまだ動きが見えなかったんです。上層部を説得して社内で奔走するより、自分でやった方が早いんじゃないかと思ったんですよね。でも、会社を辞めて3カ月くらいは、家でゴロゴロしてました(笑)。カード決済の仕組みもわからなければ、誰に頼んでいいのかもわからない。何をどうしたらいいのかまったくわからなくて、近所に住む友だちの家で昼からマンガを読んだりして過ごしてたんです。それを見かねた夫からマジメに怒られたことで目が覚めましたね。夫は個人でベンチャーキャピタルをやっている人なので、そんな状態で事業が立ち上がるわけがないということがわかっていたんです」

 とはいえ、人は常に探していたそうだ。知人の紹介のほか、自らブログを見つけて直接アポをとっていたという。物怖じしない行動力はさすが佐俣氏である。

「週に1回みんなで集まって、進捗報告するということはやっていたんです。そうこうするうちに、その中の一人が5年半勤めた会社を辞めて入社するという話になった。でも、そのときは会社すらないわけです。これは受け皿を作らなければいけないとなって翌月に会社を作りましたね。会社の登記法すら知らないのでネットで調べまくって、資本金はテキトーに30万円ということにして、株数もまったく考えず割ったりして、よくわからないまま会社を立ち上げたんです。1カ月目に給料を払って、当時借りていたシェアオフィスの家賃を払うと、いきなり資本金がゼロです。来月からどうすればいいんだっけ……という状況でしたね」

 当然サービスが始まっていないわけだから収益もない。いきなりのピンチをどうやって乗り切ったのだろうか?

「この事業はかなりお金がかかることがわかっていたので、投資家と話をして手立ては付けていたんです。翌月に2000万円投資していただいて、なんとか会社を運営していくことができました。でも、あの頃を振り返ると安易だったと思いますね。今、冷静に考えるとこの事業は数十億円必要だとわかるんですけど、当時は2、3億円でできると踏んでいました。今だとベンチャーが2、3億円調達するという事例も増えてきましたけど、2012年頃はまだありえない状況でした。最初に調達した2000万円で行けるところまで行って、次に7500万円というふうに小刻みにフェーズを切って資金を調達していくようにしましたね」

 その際、効果的だったのが起業家のピッチイベントだったという。佐俣氏はサイバーエージェント・ベンチャーズ主催のITベンチャーと投資家のマッチングイベント「RISING EXPO」に出場し、見事優勝。ここから活路が開けてゆく。

coiney_sub03「だいたい投資を募るときって、投資家の方に1時間以上かけて事業の説明をして、その後ディスカッションをするものなんです。それを10社とやるとなると、けっこうな時間がかかりますよね。でも、ピッチイベントだと、やりたいことを10分でまとめて話し、興味がない人はそこで外れていくので、あとは興味のある人とだけ焦点を絞って一気に話を進めることができて時間的なパフォーマンスがいいですよね。RISING EXPOでサイバーエージェント・ベンチャーズと接点ができたことで、産業革新機構と合わせて13億円の資金調達をすることができたんです」

 2012年の夏にはCoineyリーダーの試作ができていたという。しかし、同年6月にスマホ決済のガイドラインができたことで仕様変更を加える必要があり、その後も幾度となく改良を加えなければならず、サービスインのメドが立たない状況が続いたそうだ。しかし、困難はこれだけではない。「信用第一」のクレジットカード業界は予想以上に参入障壁が高いものだった。

「やはり日本では決済サービスや金融サービスは大手が始めることが多いですよね。信用が問われる世界なので、経営面を聞かれるわけですが、会社の口座がゼロになっているような状態なので、何かあったときに保障できるお金もないわけです。人・もの・お金のどれもなくて、当然、信用もまったくないですよね」

 いきなり八方ふさがりの状況である。ところが、業界大手のクレディセゾンとの提携が決まったことで、Coineyは一気にサービスインまでこぎつけることに成功。あれから時を経て現在、米国で同様のサービスを展開するSQUARE、佐俣氏の古巣であるペイパルとソフトバンクの合弁会社によるPayPal Here、さらには楽天やリクルートなど名だたる大企業がスマホ決済市場への参入を開始した。この強力なライバルたちを佐俣氏はどう捉えているだろう?

「選んだ市場が間違ってなかったと思ってます。これだけ有名企業が出そろうということは、今ある世の中の課題を明確に解決する事業であることは確かなので、すごく喜ばしいことだと思います。むしろ、誰も来ない市場のほうが不安ですよね。この先に見えている市場は間違いなく大きなものです。クレジットカード会社って何社もありますよね。銀行も証券会社もすごく沢山ある。それが金融サービスの常だと思っていて、1社がすべてを独占するという状況には絶対にならないものなんです。各社参入してきたからといって横を見て仕事をするのではなく、きちんとお客さまを見ながら価値あるものを提供していくことが大事だと考えています」

佐俣氏を知る3つのポイント

モットー/迷ったらレアな方を選ぶ

「みんなと同じ方を選ぶと、絶対に競争が激しいものですよね。私はあんまり競争がしたくないので、迷ったらレアな方を選ぶ(笑)。就職のときもリクルートとペイパルで迷ったんですが、人が少ないところの方が面白そうだし、勝てる可能性が高いと思ってペイパルを選んだんですよね。大企業で35年かけて出世していくという生き方は私には絶対に無理だと思っていて、まずそんなに待てないし、激しい競争を勝ち上がっていけるほど私は優秀じゃないと思ってるんです。だとしたらレアな方を選んで、自分なりに上に行ける方法を探したほうがいいかな。やっぱり最後にはラクしたいんで(笑)」

影響を受けた人物/実業家・藤沢武夫

「HONDA創業者の本田宗一郎の右腕と言われていた方で、『経営に終わりはない』という著書があって、大学生の頃から私は藤沢武夫さんが好きなんですよね。私はもともと社長タイプじゃないと思っていて、どちらかというと二番手でいることが一番心地いい。トップとしてガンガン引っ張っていくよりも、ちょっと後ろで実務を回す方が向いていると思うんですけど、藤沢武夫さんはまさにそういう方で、本田宗一郎という天才が、本当の天才になっていく過程をすべて作った人なんです」

経営と子育て

「子どもが1歳になるんですが、やはり仕事と子育ての両立は大変です(笑)。起業当初は、それこそ徹夜してでもやらないとサービスが立ち上がらないというのもあって、長時間集中して働いてましたけど、さすがにもう無理ですよね。自分の限界を超えて仕事ができる期間って、本当に短いと思うんです。ベンチャーって最初は100メートル走から始まって、どこかで競技をマラソンに変更する必要が出てくる。速度をゆるめるのではなく、長期戦のペースを作っていかないといけないんです。そういう意味では、出産はいいきっかけになりました。あのままのペースで働いていたら、きっとどこかで壊れている部分があったと思う。一番怖いことは、働きすぎてかえって意気消沈したり、やる気が削がれていくことだと思うんです。今は社員数も増えて私が全部やらなくても回っていくようになりましたし、子育てという制約条件ができたおかげで逆にやり方を考えるようにもなって、むしろモチベーションを保つきっかけになっています」

取材・文●大寺 明  写真●高村 征也

カード決済のすべてをかんたんに。
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