都市部で農業を楽しむ! 遊休農地を有効活用した「シェア畑」を展開するアグリメディア・諸藤貴志インタビュー

株式会社アグリメディア代表取締役社長諸藤貴志
株式会社アグリメディア(http://agrimedia.jp/)代表取締役社長・諸藤貴志(もろふじ・たかし) 1979年福岡県生まれ。九州大学経済学部卒業後、住友不動産に入社。都心のオフィスビル・住宅等の開発業務のほか、会議室やイベントホールを貸し出す新規事業を担当。2011年4月に地元福岡で農業を営んでいた高校の同級生とともに株式会社アグリメディアを設立。首都圏を中心に300件もの農家を周って実情をヒアリングし、一方で都市生活者のニーズを調査し、同年7月に農産物販売と収穫体験を組み合わせた「ノウジョウフェア」を開始。2012年にサポート付きの市民農園「シェア畑」をスタートさせた。

「畑で楽しむ週末」というライフスタイルを、フィットネスクラブと同じように一般化していきたい

 都心から電車で20分ほどの街に住む筆者の家の近くには、今でもかなり畑が残っている。丘になった地形のため開発がしづらいのだろう。先日、近所を歩いていると、ずいぶんきれいに畑が手入れされていて、「シェア畑」という看板がかかげられていた。なんだろう? 後日、取材をした整体師が心と体の軸を整えるため「最近、土いじりを始めた」と話した。聞くと、それもまさしくシェア畑だった。首都圏を中心にかなり浸透しはじめているらしい。

「シェア畑」とは、株式会社アグリメディアが2012年からスタートさせた貸し農園事業だ。道具一式がそろっているため手ぶらで畑に行くことができ、菜園アドバイザーが付くので初めてでも気軽に野菜づくりができるというサービスだ。2015年5月現在、一都三県で37カ所のシェア畑を展開し、約3000世帯7500人ほどが利用しているという。

 休みの日に再び通りかかってみると、子ども連れのファミリー層やシニア層が楽しそうに土いじりをしていた。これまでにも体験農業を募るNPO団体や農家はあったが、それなりに本気でないと参加しづらいような雰囲気があった。実際はそうでもないのかもしれないが、やはり一般の人にとって農業は敷居が高く、遠方だったりすることもあって、興味本位で参加していいものだろうか?と考えてしまうのだ。

 しかし、シェア畑のように最初から体験型のサービス業として打ち出されていれば、レジャー目的であっても、癒されたいという欲求であっても許されるという安心感がある。実際の利用者はどういった目的でシェア畑を利用しているのだろう? 2011年にアグリメディアを創業した諸藤貴志氏に聞くと、ユーザー層は30代から60代までと幅広く、それぞれの年代がほぼ均等だという。

agrimedia_sab2「30~40代は圧倒的にお子さんの食育が多いですが、新しい趣味としてもいいし、土に触れて安らげるし、というふうに目的がいくつも掛け合わせれているようです。50~60代のアクティブシニア層になると、新たな趣味を模索している方が多いですね。もともと漠然と農業に興味を持っていて、周りに家庭菜園を趣味にしている人がいたりして情報は持っている。だけど、けっこう難しいことだと思っていて、野菜づくりを教えてくれるサービスがあるなら、ぜひやってみたいという層ですよね。農家さんに教えてもらうのはやはり距離を感じますが、それを企業が提供することによって敷居が下がり、マンション暮らしをしている人でも入りやすくなる。畑をもっと身近にできればニーズがあるだろうと考えていました」

 一昔前だと、農業というと重労働のイメージがあり、自らお金を払ってやろうなどとは誰も考えなかった。それが今やビジネスとして成立するほどのニーズになっている。この変化を諸藤氏はどう捉えているだろう?

「自然の中で過ごしたり、家庭菜園をしたいというニーズが、この10~20年増え続けています。社会が成熟してくると自然とそういう感覚になっていくものだと思っていて、食っていくので精一杯という時代にあえて土に触ろうなんて誰も思わないわけですが、やっぱり時間的、精神的、金銭的にゆとりが出てくることで、ゆっくり植物を育ててみたいという気持ちも出てくる。一方で、日本人には土に触れたいという欲求が根源的にあるように思います。家系を辿ると元農家だった人が圧倒的に多くて、ロジックで理解できるニーズではなく、『なんとなく』という潜在的な欲求のようにも感じています。僕らは『なんかいいよね層』と呼んでいるんですけど、『農業ってなんかいいよね』という人が実際にすごくいっぱいいて、もともと日本人にあった根源的な欲求が、社会が成熟したことでより一層出てきたように思うんです」

 ほとんどのシェア畑が一般の人が通いやすい街の近くにあり、千駄ヶ谷や横浜などの人気エリアではずっとキャンセル待ちが続いているほど。一過性のブームではなく、「休日は土いじりをして過ごしたい」と思っている人が実に多いのだ。

「サービスを始める際、アンケートやデータを調べたんですが、家庭菜園を始められない理由は、圧倒的に『やり方がわからない』というものが多かった。ニーズがあるのはわかっていたので、その問題を解消すればいいわけですが、それをより世の中に広げていくためのコンセプトとして“楽しい”ということが大事だと思いました。農業は“苦しい”というイメージを払しょくして、楽しみながらできるようなイメージを作っていきたかった。そこでスタートの際には、『畑で楽しむ週末』というキャッチフレーズを付けたんです。そうしたライフスタイルを一般化したい。野菜づくりが特別なことではなく、生活の一部として当たり前の日常になるまで持っていきたいですよね」

 オフの時間の過ごし方として、たしかに土いじりは魅力的だ。自分で育てた野菜を食べるのは喜びもひとしおだろうし、何より採れたての野菜は舌が驚くほど美味しい。適度な運動にもなるだろうし、精神的にも健康的な感じがする。都市部に住む健康志向の人々にシェア畑は受け入れられているようだ。

「郊外の方が畑が多くあるものですが、車で30分もかかるような場所だとやはり続かないですよね。街中に近い場所にあるからこそ、朝の通勤前に畑に寄ったりということができて生活の一部になる。以前にお客さんの夫婦が『あそこのフィットネスは1人8000円だけど、こっちは2人で8000円だぞ』という会話をしているのを聞いて気づかされたんですが、フィットネスはインストラクターが指導してくれて道具も揃っていて、どの街にもありますよね。これはシェア畑の事業モデルと近いと思うんです。さらにシェア畑には成果物もある(笑)。フィットネスの商圏とかなり近いと思っていて、同じようなスケールで各街にシェア畑を作っていきたいですね」

25歳のときに起業を断念。そのときの悔いが、都市部の遊休農地を活用する新ビジネスへと向かわせた

 諸藤氏は前職の住友不動産でビルのイベントホールや空いているビルの貸し会議室の新規事業に携わっていた。軒先.comやスペースマーケットといったベンチャー企業の空きスペースレンタル事業が注目を集めているが、それよりも10年近く前から諸藤氏は新規事業プロジェクトとして着手していたのだ。当時、ビルの不況により会議室を削減しようとする流れがあり、面白いように売上が伸びていったという。諸藤氏は社会人3年目の25歳のときに、このチャンスをものにして独立しようと考えたことがある。25歳で起業し、東証一部上場まで経験した兄の影響が大きかったそうだ。

agrimedia_sab1「毎月売上が倍になるという感じで、やればやるほど事業が伸びてニーズがあることは明らかでした。それで、自分の能力を過信してしまったんですよね(笑)。そのとき初めて起業というものを意識しだして、仕事そっちのけで独立について調べたり、ロジックを考えたりするようになって、同僚に一緒にやろうと声をかけたんです。一応、起業していた兄にも相談してみようと思ってオフィスに行ってみると、前はワンルームだったのが、社員20~30人の広々としたオフィスなっていて驚きましたね。兄に事業モデルを話したんですが、中身には興味を示さず『とにかくやってみたら』と言う。兄は自身の起業の経験から、最初に考えていたようには絶対にいかないという考えで、やってみないと何も動かないから、とにかくやりゃいいじゃんて(笑)」

 ところが、結局は同僚含めて会社を辞めるふんぎりがつかず起業を断念することに。住友不動産という大会社を辞めるという選択はなかなか勇気がいる。仕事に不満を持っていたわけでもないだろうから、それも仕方がなかったかもしれない。

「本当に会社を辞めるとなった途端、意志の強さが問われる感じになったんです。僕はやる意志が強い方だったと思いますが、一人でもやるとまでは言いきれなかった。ちょうど結婚するタイミングと重なったこともあって、結局やらない方向に流されてしまったんです。ひと言で言うと、結局ビビっちゃったんですよね。その後、仕事もそれなりに評価されて、自分が希望していた不動産の開発企画の部署に移動することになった。社内的には花形の部署で、それはそれでやりがいがありました。一端は起業を忘れて、忙しく仕事に打ち込む日々が4年くらい続いたんです」

 アグリメディアのオフィスが入っている「セントラルパークタワー」は、この頃、諸藤氏が3年がかりで企画してできた思い入れのあるビルだという。当時の諸藤氏は何百億というお金が動く案件をいくつも抱え、仕事は充実していたし、収入面でも何不自由なかった。しかし、心のどこかでずっとモヤモヤしていたという。

「自分としては仕事がうまくいっているつもりだったんですが、たまに兄に会うと、『それって自分の力でやれてると思ってるの? 楽しいの?』と挑発されたりして、背中を押されたというのもあるかもしれない。ちょうど開発系の仕事が一段落したときにもう一度考えて、たしかに一度きりの人生なんだからやらずに後で後悔するのはイヤだな、と思ったんです。25歳で独立しようとして一度それを経験しているので、あのときやっておけば良かったという気持ちがずっとくすぶり続けていたんですね」

 たらればの話になってしまうが、もしあのとき起業していたら貸し会議室事業で成功していた可能性も大いにある。実際、ホテル宴会場と貸し会議室事業の株式会社TKPは数年で急激に売上を伸ばし、2014年度は年商150億円を突破。住友不動産の貸し会議室事業も100億円規模にまで成長している。チャンスを逃してしまったように感じるのも当然のことかもしれない。30歳をラストチャンスと捉え、諸藤氏はもう一度起業に挑戦することになる。

「自分が心底打ち込みたいと思えるもので起業すべきだと考えました。そのためには課題が大きくて、社会的なインパクトが大きいものの方がいいと思いました。もともと『課題がなければ商売にならない』と思っていて、そうした視点からいろいろ調べていくうちに、まず農業に着目したんです。農業はこれから変わっていくだろうし、農協以外には目立って強いプレイヤーもいない。これは相当チャンスがありそうだと思いましたね。次に農業で何をやるべきかを検討したんですが、農業で新しい動きをしているプレイヤーを調べたところ、Oisixをはじめとして生産と流通に集中していることがわかった。流通はかなりのスケールがないと無理だし、野菜の宅配業は参入者が非常に多いので難易度が高い。農業全般の難易度が高いことはわかっていましたが、単にこれまでやる人がいなかっただけ、という分野が見つけられないかと模索しましたね。いわば逆張りです(笑)」

 そうして思いついたのが、野菜を売ったり運んだりするのではなく、農業体験を売りにすることだった。これならば農地の有効活用にもなる。

「サラリーマン時代から世田谷に住んでいるんですが、住宅街に広大な農地がけっこうあって、調べてみると税金対策で農業を後ろ向きにやっている人が沢山いることがわかった。日本の国土利用という意味でも、不動産開発をしている人間として、もったいないと感じていたんです。都市部の農地が余っていて、活かされていないという問題があったわけですが、農業だから特殊というわけではなくて、どの商売も必ず課題を解決するからビジネスとして成り立つのだと思うんです。また、すでに成立した市場のシェアを取りにいくよりも、課題を解決するビジネスモデルを一から作り上げる方が事業にしやすいと考えていました。70円の野菜を100円で売るビジネスは相場やビジネスモデルができていて難しいけれど、体験であれば利益構造がまったく別ものなので、利益率もまったく違う。ちょうど『モノからコトへ』と言われはじめていた頃で、体験という付加価値に対するニーズがこれからもっと増えていくはずだと予想したんです」

300件以上の畑を周り“現場の声”を聞いた。前職の不動産経験と、友人の農業経験があったから形にできた

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 ただし農業については、当時の諸藤氏はまったくの素人。高校時代からの友人が地元福岡で農業を営んでいたことから、電話でたびたび相談しているうちに様々な課題が見つかり、「一緒にやろう」と友人を口説き落とした。まずは農業体験イベントから始めることにしたが、関東の農家にツテがあるわけでもない。農家の協力を得るべく電話をかけまくったが、キャッチセールスと間違われて話はまったく伝わらなかった。

「これはもう飛び込みで畑に行って直接交渉するしかないとなった。目的が二つあって、一つはイベントのパートナーを探すことで、もう一つは現場の声を聞くことでした。当時は農業に対する理解がそこまで深くなかったので、話を聞くのが一番早いと考えたんです。起業後の2カ月はひたすら話を聞きまくりましたね。友人の元農家と一緒に畑を周ったので、農家同士の会話ができて親しくなりやすかった。もし僕が不動産出身の人間として一人で行っても警戒されるだけだったかもしれません」

 こうして都心近郊の畑を300件以上回ったという。マクロな市場データに頼るだけでなく、諸藤氏はとにかく現場の声を重視する。前職の経験上、生の声の中にこそ本質的な情報が含まれていると考えているのだ。

「実際に畑を周ることで農地がかなり余っていることを実感しました。どの畑に行っても、農家さんじゃない人が畑をやっていて、実は地主さんから畑を借りているケースがほとんどなんです。『闇農園』と呼ばれているんですが、行政手続きなしで農地の貸し借りが行われていて、農協に卸すわけでもなく、作った野菜は知人に配ったりしている。首都圏の場合、農地を持っている地主さんはアパートを経営していたりしてお金に不自由していないことが多い。だから、わざわざ農業をやる必要もなければ、息子さんに継がせる気もない。みなさんいろいろ話してくれて、この畑でいくら稼げるかを聞くと、せいぜい100万円だと言う。でも経費が150万円だよって(笑)。農業が儲からないということがよくわかりましたね。農業体験イベントの話を持ちかけても、無理だってさんざん言われました。誰がお金を払うんだよって(笑)。うちはタダで貸していると言うわけです」

 本来、農家とは資格事業であって、農家台帳に登録されている人しか農地を借りることができない。また、農地法によって農地以外の利用に制限があるため、宅地や駐車場にすることも難しい。農地であれば固定資産税がきわめて少額で済むこともあって、農地のままにしているのだ。こうした土地は「遊休農地」と呼ばれている。土地の所有者もどうしていいかわからないというのが現状だ。

「どうにか神奈川県秦野の農家さんが協力してくれることになって体験イベントを開催することができたんですが、実際にやってみると、すぐにぜんぜんスケールがないことがわかりました。それではとても食っていけない……。それまで畑を訪問したりイベントの準備をしていて、1年くらい収入もなく貯金を食いつぶす生活でしたから、すごく不安でしたね。もともとシェア畑をメイン事業として長期的な構想をしていたんですが、すぐにでもやる必要が出てきた。イベントで協力してくれた農家さんから農地を借りられることになったんですが、体験イベントの場合は農家さんがメインで私たちがサポートするという事業モデルなので認可は必要ない。しかし、貸し農園ということになると、認可が必要になってくる。この縛りは大きかったですよね」

 シェア畑第1号が遊休農地の有効活用事業として日経新聞に取り上げられたことで、すぐに他の農家からも農地活用の相談が舞い込んだ。さっそく役所に認可を取りに行ったが、これがかなり難渋した。前例のないことを役所はなかなか通そうとしないものなのだ。

「『農地で何を儲けようとしているんだ?』などといったことを言われて、宿題を出されては資料を持っていくということを何度も繰り返して、結局3、4カ月かかりましたね。だけど、一度認可が通ると、徐々に楽になっていきました。今ではどの自治体に行っても、当社のことを知ってくれていることが多くて、それほど説明をしなくても済むようになったんです。やはり、しっかり農地を管理しているというところを見て、ある程度の信用が得られるようになってきたのだと思います。最近では、当社が運営している農園を、自治体の方が視察に来ることも少なくありません」

 1年ほど前まで諸藤氏はトラクターを借りて自ら遊休農地を耕していたそうだ。同様に役所通いといった地道な日々もビジネス上の「開墾」だったかもしれない。

「最初は宣伝費もないですから、毎日のようにチラシをポスティングしていたんですが、前職でアライアンスや物件のプレスリリースなどを行っていたこともあり、メディアの方にPRを続けました。その結果、メディアがメディアを呼ぶという感じで地方紙やケーブルテレビなどで盛んにシェア畑を取り上げてもらえたんです。やはりメディアの力は大きかったですね。すぐに横浜のシェア畑が満稼働になって、200世帯が契約して売上も一気に2000万円くらいになった。いきなり最初から順調で、こんなにお客さんが来るものなのかとこっちが慌てるくらいでした」

 シェア畑は、不動産開発の知識を持つ諸藤氏と、農業の知識を持つ友人の二人で始めたからこそ形にできたと諸藤氏は言う。ただ畑を人に貸せばいいというビジネスモデルではないのだ。

agrimedia_sab3「苗を仕入れてきて野菜がうまく育つまでのノウハウを伝える野菜づくりのオペレーションが難しいんです。そのためにはサービス業としての接客マニュアルも細かく磨かないといけない。一方で農地を借りるための行政手続きや、農業委員会に話を通すといったことも必要になるので参入障壁が大きい。農業さえわかっていればいいというものでもないんです。農業を奨励していない市街化区域の農地なのか、宅地開発を奨励していない市街化調整区域などの都市計画のことや税金のこと、農地法などの複雑な制度もあって、僕は前職で都市計画や税金のことに触れていたことで一定の知識があって、なおかつ農地法を勉強したのでなんとかできていますが、誰にでもできるものではないと思います。多くの大手企業が軒並み当社にヒアリングに訪れているんですが、やはりオペレーションと法制度が難しいということになって、結局、当社に土地を貸すだけということになるケースが多いですよね」

 今年の秋にはシェア畑を20カ所増やし、ここ2、3年のうちに200カ所を目指すという。地主から地主に口コミで広がって連日のように相談が舞い込み、アグリメディアは遊休農地活用のスペシャリストのような側面もあるのだ。ユーザーについても「家族同士で一緒にやろう」というふうに地元の口コミで広がっているという。

「みなさんブームだからやっているという感じでもなく、生活の一部になり始めています。継続率については圧倒的にシニアの方が高いんですが、これからシニア世代はますます増えていくので需要はますます増えていくと考えています。自分で野菜を作ってみることで学ぶことは多いと思うんです。農業への理解も深まれば、野菜の見方も変わる。結果的にそうしたことが日本の農業にとってもプラスになると考えているんです」

諸藤貴志氏を知る3つのこと

行動指針「すぐやる。必ずやる、出来るまでやる」

「日本電産の創業者・永森重信さんの言葉なんですけど、たしかにその通りだと思ってオフィスに貼ってるんです。やると言いながらいつまでもやらないというのはよくないことなので、会社の文化としてそうありたいと思っています。これは仕事以外でもそうだと思うんですけど、やると決めたら絶対にやりきるようにしないと、後悔が先に立ってしまう。ゆっくり見極めてやるのではなくて、やりながら軌道修正していく方がいいと考えています。やっぱりいろいろ問題が出てきますが、それもやってみないことにはわからないことで、失敗することで学ぶことは非常に多いと思います」

モットー「人との関係を大切にする」

「会社を辞めると、途端に付き合いがなくなる人と、辞めてなお応援してくれる人がいるものなんです。そこで上辺だけの付き合いだった人と、人間関係ができていた人かがわかる。自分ではそう思っていなかったけど、仕事だけの関係だったのかと寂しくなることもあれば、逆にそれほど深い付き合いだと思っていなかった人が、辞めた後に頻繁に連絡をくれて、心配してくれたり、仕事や人を紹介してくれることも多かった。辞めても応援してくれる人の力は、起業後すごく助けられていて、よけいに『やりきらなきゃ』と頑張れたというのがありますね。サラリーマン時代はそういった感動を半分くらいしか感じていなかったように思いますが、自分で事業をやるようになると、この人の助けによって命が長らえられたといった局面が何度もあって、人が応援してくれる力をよりダイレクトに感じます。自分が人に助けられてきたので、後輩が起業の相談に来たりすると、なんとか手伝えないかと考えるようになりましたね」

成長欲求

「起業した理由の一つにサラリーマン時代の自分の成長が鈍化していると感じたことがありました。経営者になると、さまざまな問題が発生しますから、意思決定をする機会も多いですし、失敗する数も多いですから、成長機会には一番恵まれていると思いますね。もともと負けず嫌いで、やるのであれば大きな結果を出したいと考えるタイプなので、成長欲求が起業の原点と言えるかもしれません」

取材・文●大寺 明  写真●高村 征也

みんなで育てて、みんなで食べる

あなた専用の区画で野菜づくりが楽しめるサポート付き農園です。菜園アドバイザーが丁寧に野菜づくりを教えてくれ、道具や種・苗もそろっているので、初めての方でも安心。1年を通して約20品目の野菜が育てられ、時期によっては食べきれないほどの野菜が収穫できることも。自分で育てた安心な野菜を、親しい方へぜひおすそ分け(シェア)してください。遊休農地を持っている方も募集中です。農地・遊休地の維持管理事業


首都圏にて、農地・遊休地の維持管理、草刈などを受託する事業です。乗用型の草刈機や大型の耕耘機を利用することで、低価格と迅速な対応を実現しています。また、樹木の抜根等を行うこともできます。

菜園アドバイザー募集
市民農園の管理をしながら、利用者への栽培指導・サポートを行う仕事です。現在101名の菜園アドバイザーが在籍し、家庭菜園の経験があるシニアの方もたくさん活躍されています。野菜づくりをしながら、利用者とコミュニケーションをしてみませんか? 今後、自社農園でも栽培スタッフを募集予定です。